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タケニグサ/たけにぐさ/竹似草・竹煮草
Plume Poppy
【タケニグサとは】
・北海道~九州に分布するケシ科の多年草。日当たりのよい場所であれば野原のみならず、道端の空き地や荒れ地にも見られる。日本以外でも東南アジアの各地に自生する。
・タケニグサという名前の由来には、中空の茎や冬枯れの様子が竹や笹に似る「竹似草」を由来とする説と、竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなって細工が容易になることに由来するとする説がある。しかし、外見は竹に似ておらず、また、竹と一緒に似ても柔らかくする効果はないという。
・タケニグサの開花は夏(6~8月)で、茎の先端に直径1センチほどの白い小花がたくさん咲く。花弁はなく、つぼみにある萼は開花と共に散り落ちる。地味な花だが、花が少ない時季に咲くため、お盆に供える盆花として使う地方があった。
・秋にできる果実は長さ2~3センチで、オレンジの魚のようなユニークな色形になる。風が吹くと中の種子がカサカサと音を立てて揺れるが、これを人の囁き声にたとえ、祖霊の囁きとした。別名はササヤキグサ。しかし、ササヤキは麻殻を意味し、果実が麻殻に似ることによるという説もある。
・茎は中が空っぽだが日本の草としては群を抜いて大きく、高さ2m以上に育つ。根は太く、オレンジ色をしている。
・葉や茎の形状がキクに似るとしてチャンパギクという別名がある。チャンパの語源は諸説あるが、ベトナム(安南国)のことで、南国風のキクという意味合いを持つという説と、実が風に揺れてチャラチャラと鳴ることに由来するという説がある。
・タケニグサの葉は掌状に裂けてキクのようになる。裏面には短毛があって白く、風になびくとより目立つ。葉や茎を切ると出てくるオレンジ色の苦汁はアルカロイド物質を含み、誤って口にすると大脳中枢を麻痺させ、体温低下、脳貧血を引き起こすため注意が必要である。
・かつては上記の汁を害虫駆除に用いた。またこれは生薬「博落廻」として白癬症(いんきん、たむし等)や疥癬、消炎、中耳炎の治療に効果を発揮するという。
タケニグサの基本データ
【分 類】ケシ科/タケニグサ属
多年草
【漢 字】竹似草/竹煮草(たけにぐさ)
【別 名】ササヤキグサ
チャンパギク(占城菊)
【学 名】Macleaya cordata
【英 名】Plume Poppy
【開花期】6~8月
【花の色】白
【草 丈】~200cm