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クマガイソウ/くまがいそう/熊谷草
Japanese lady's-slipper
【クマガイソウとは】
・北海道西南部~九州に分布するラン科の多年草。深山の木陰や竹林などの日陰を好んで自生するが、春に咲く花は日本の野生ランで最大かつ奇妙な形であり人気が高い。
・袋状になっている花びらの一部を、源平合戦の頃に武将が身に着けていた「母衣(ほろ)」に見立て、より大きな方を「青葉の笛の一騎打ち」で勝利した熊谷直実にちなんでクマガイソウ、小さな方を敗者である平敦盛にちなんでアツモリソウと名付けた。
・花は花茎の先端に一つずつ咲き、側花弁2個、唇弁1個と萼片2個が上下にある。袋状になっているのが唇弁で、淡い白色に紅紫色の斑紋が入る。側花弁と萼片は淡い緑色。上側にある萼片は唇弁に雨が入らないよう蓋の役割を負っている。
・花の様子からチョウチンバナ、キツネノチョウチンなどと呼ぶ地方がある。条件がよければ直径10センチほどになることも。
・クマガイソウの葉は、上方の2枚が長さ20センチほどの扇型になり、放射状のヒダ(葉脈)が目立つ。下の方の葉は鞘状になり、上下で葉の形がまったく違う。
【クマガイソウに似ている草花】
・アツモリソウ
北海道南部及び中部以北の本州に見られる多年草。花の形は同じような感じだが、色は淡いピンク色で、より美しい。クマガイソウとは違って日向を好むため、背丈はより高くなる。クマガイソウは地下茎で横へ増えるが、アツモリソウは点在する。
【名前が似た草花】
クマガイソウの基本データ
【分 類】ラン科/アツモリソウ属
多年草
【漢 字】熊谷草(くまがいそう)
【別 名】チョウチンバナ
キツネノチョウチン
ホロカケソウ
【学 名】Cypripedium japonicum Thunb
【英 名】Japanese lady's-slipper
【開花期】4~5月
【花の色】クリーム色と紅紫色
【草 丈】~40cm