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クサソテツ/コゴミ/くさそてつ
Ostrich fern
【クサソテツとは】
・北海道から九州に至るまでの各地に自生するウラボシ科(オシダ科あるいはコウヤワラビ科などの説もあり)クサソテツ属の多年草。日当たりの良い斜面や水辺近くの草原で普通に見られ、時には群生する。柔らかで涼しげな葉が印象的で、和風庭園においては水辺の景色を作る下草として使われる。日本以外でも北半球の各地に分布する。
・ワラビやゼンマイと同じシダの仲間であり、日当たりの良い湿った場所に多いが、半日陰地にも見られる。葉の様子がソテツに似た草であるためクサソテツというが、山菜としての流通名「コゴミ」の方が名高い。
・「コゴミ」は春先に巻いている若菜のことで、独特のヌメリがあるものの味にクセはない。アク抜きせずに食べることができるため、年間を通じて市場に出回るほど、山菜としての人気が高い。縄文時代の遺跡からも化石が発掘されており、食糧としての歴史は古いものと考えられている。
・若菜は植物性たんぱく質を多く含み、御浸し、胡麻和え、酢味噌和え、天婦羅は勿論のこと、マヨネーズやケチャップで和えることもある。地方によってはクグミ、カゴミ、コゴメなどと呼ぶが、いずれも新芽が丸く曲がる姿に由来する。
・食用になるのは4下旬~6月上旬に地上へ出てきた若菜の先端部分。春の芽出しはやや遅いが成長がかなり早く、若菜が丸まっている期間が短いため、採取にはタイミングを図る必要がある。
・葉は株元からまっすぐに伸びた茎から互い違いに生じる。先端へいくほどく大きく広がり、裏面には他のシダ類に見られるような白や薄茶色のボツボツがない。暑さや乾燥には弱いが耐寒性は高く、冬季には地上部を消して地中で耐える。
【クサソテツに似ている植物】
・キヨタキシダ
イッポンコゴミという別名があるように、クサソテツのように群生せず、単独で分布する。茎に赤味があり、山菜としては赤コゴミと呼ばれる。本来のコゴミはキヨタキシダであり、味はクサソテツに勝る。
クサソテツの基本データ
【分 類】ウラボシ科(オシダ科・コウヤワラビ科)
クサソテツ属
多年草
【漢 字】草蘇鉄(くさそてつ)
【別 名】コゴミ/クグミ
カゴミ/コゴメ
【学 名】Matteuccia struthiopteris
【英 名】Ostrich fern
【開花期】─
【花の色】─
【草 丈】~80cm