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ギボウシ/ぎぼうし/擬宝珠
Plantain Lily/Hosta
【ギボウシとは】
・北海道~屋久島まで日本全国の山地に分布するユリ科ギボウシ属の多年草。盛夏に咲く清楚な花や、葉脈のはっきりした明るい葉の雰囲気が好まれ、下草として庭園に使われるが、日本よりもヨーロッパpを中心とした海外での評価が高く、属名の「ホスタ」として流通する。
・ギボウシは東アジアの特産で、その自生種は約40種類あるが、ほとんどが日本に自生する。花が美しいのはミズギボウシ、タチギボウシ、イワギボウシなどだが、最も普通に見られるのはオオバギボウシとコバギボウシの二種。新芽や葉柄はウルイと呼ばれ、山菜としても親しまれる。
・オオバギボウシは北海道と本州の山地林内に分布し、コバギボウシは北海道から九州までより広く分布する。山菜として好まれるのはオオバギボウシだが、花がより美しいのは後者。コバギボウシの花は内側に紫色の筋があり、花全体が紫色に見える。また、オオバギボウシは葉脈が隆起しているが、コバギボウシは葉脈が凹んでいるという違いもある。
・開花は6~9月で、60~100センチほどの花茎の先に、ユリに似たラッパ型の花を横向きに咲かせる。花色は品種によって青紫、淡い青、白色など。蕾(あるいは葉)の様子が、橋の欄干を装飾する擬宝珠(ぎぼうしゅ)に似ているとして命名された。花は下から順に咲き上がる。
・ギボウシには一般的な茎はなく、葉は根元から斜めに立ち上がる。普通は先端の尖った卵形の葉になるが、地域差や個体差が大きい。葉の縁にギザギザはなく、平行に走る葉脈が目立つ。他に類を見ない多肉質で美しい葉は、生け花にも使われる。
・ウルイ、ウルイッパあるいはユリッパという山菜としての名前は、葉の雰囲気がウリの皮に似ていることに由来する。新芽、葉柄、花、蕾は和え物、天婦羅、御浸しなどにして食用され、葉柄はカンピョウのような味がするため、ヤマカンピョウの別名がある。茎や生の葉を火で炙ったものは腫物の治療に、干したものは利尿に使われる。
【ギボウシの品種】
【ギボウシの園芸品種】
江戸時代後半から盛んに交配された結果、数多くの園芸品種があるが、日本よりも欧米での人気が高い。
【ギボウシに似た植物】
・コバイケイソウ
シュロソウ科の多年草で、北海道中部地方の林内に自生する。新芽がギボウシに似るがアルカロイドを含む毒草であり、誤って食べると血管が拡張して血圧低下や呼吸困難を招く。
ギボウシの基本データ
【分 類】ユリ科/ギボウシ属
【漢 字】擬宝珠(ぎぼうし)
【別 名】ギボシ
ウルイ/ウルイッパ
ユリッパ/ヤマカンピョウ
【学 名】Hosta Tratt
【英 名】Plantain Lily/Hosta
【開花期】6~9月
【花の色】青紫色/淡い青/白
【草 丈】~100cm