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ミクリ/みくり/実栗
Bur reed (Mikuri)
【ミクリとは】
・北海道~九州に分布するミクリ科ミクリ属の多年草。アシ、ガマ、コウホネ、マコモなどと同じように水底に根を張り、茎葉の一部を水上に突き出す「抽水植物」の一つであり、かつては各地の水田や池、沼、側溝など、水深の浅い水辺に見られたが、現在は絶滅が危惧されるほどに個体数が減っている。
・花や果実は異国の雰囲気を漂わせるが日本の在来種で、クリのイガのような果実あるいは花序(花の集り)ができるためミクリ(実栗)と名付けられた。別名はヤガラ。日本以外のアジア各地にも分布しており、漢名を「黒三稜」という。
・ミクリの開花は6~8月。雌雄同株で、同じ花茎の下部に1~4個の雌花が咲いた後、上部に3~20個の雄花が開く。雌雄とも頭状花と呼ばれるタイプの小花で1~4個の花被片(花弁のようなもの)がある。
・雌花の後には直径2~3センチの果実ができる。これは小さな果実の集りで、それぞれの果実の先端は尖り、基部はクサビ形になる。でき始めの果実は緑色で秋になると黄褐色に熟すが、クリのように自然に裂けることはない
・葉は幅1センチ前後の長い線形で地際から生じ、基部の断面は三角形で茎を抱くようになる。葉は茎よりも高い位置まで伸びるが、環境や天候によっては水面下で育ち、水に浮かぶこともある。茎は無毛で直立し、内部はスポンジ状。かつては筵(むしろ)の材料とされた。
・根(地下茎)は水底を這いながら分岐し、新たな株を作る。ミクリや近縁のヒメミクリ根を漢方では「荊山稜(けいさんりょう)」といい、乾燥させた煎じたものを腹痛の緩和に使う。
【ミクリに似た植物】
ミクリの基本データ
【分 類】ミクリ科/ミクリ属
多年草
【漢 字】実栗(みくり)
【別 名】ヤガラ/黒三稜
【学 名】Sparganium erectum
【英 名】Bur reed (Mikuri)
【開花期】6~8月
【花の色】白(雌花)、クリーム色(雄花)
【草 丈】~100cm