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ドクゼリ/どくぜり/毒芹
Water-hemlock
【ドクゼリとは】
・北海道~九州の各地に分布するセリ科の多年草。水のきれいな湖沼や清流の岸辺などの湿地に見られ、水中に根茎を広げて育つ。日本に育つドクゼリ属の植物は本種のみだが、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアの温帯に10種類ほどが自生する。
・野菜として食用するセリの仲間だが、ドクウツギ、トリカブトと並ぶ日本三大有毒植物の一つであり、株全体にシクトキシンという猛毒を含む。誤って食べると嘔吐、腹痛、下痢、全身の痙攣、麻痺、急激な脈の上昇、呼吸困難を招き、半数が死に至るとされる。 特に毒性が強いのは根茎。
・ドクゼリの開花は夏で、頂部に伸びた花茎に、白い小花が傘状に集まって咲く。花の中央には雌しべと5個の雄しべがあり、5枚ある花弁は内側に反り、その基部には長さ1センチほどの小さな柄がある。
・花の後には直径2~3ミリの果実ができる。果実は緑色で平たい円形。表面には太くて黄色い肋(ろく)がある。
・葉は細長い小葉が複数集まって長さ30~50センチの羽根状になる。葉柄は長めで小葉の縁には細かなギザギザがあり、葉柄の基部にはサヤ状になって茎に続くのが特徴。若葉はセリによく似るが、茎葉は大振りで、セリに特有の香りもない。
・地下(あるいは水中)に隠れる根茎は、太くて短かくワサビのようになる。多数の節があり、表面が緑色になるためタケノコに喩えられることも多い。内部もタケノコと同じような空洞になるため、延命竹、万年竹といった別名があるが、上記のとおり食用できない。
・根茎から茎葉が生じるのは夏で、よく枝分かれする。茎の断面は丸いが、根茎と同様に中空であるため、触れるとフニャフニャした感じがある。セリは草丈40センチ以下だが、ドクゼリは1mを超えて育つ。
【セリとドクゼリの見分け方】
・根元を少し掘って、タケのような節があればドクゼリ。また、ドクゼリの葉は無臭であるため、ちぎった葉を揉んでみれば区別しやすい。
【ドクゼリに似た植物】
・ミツバ
・ハマボウフウ
・ケキツネンオボタン
地方によってはドクゼリと呼ぶ。
ドクゼリの基本データ
【分 類】セリ科/ドクゼリ属
多年草
【漢 字】毒芹(どくぜり)
【別 名】オオゼリ(大芹)
【学 名】Cicuta virosa L.
【英 名】Water-hemlock/Cowbane
【開花期】6~8月
【花の色】白
【草 丈】60~120cm