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トウキ/とうき/当帰
Japanese Angelica Root
【トウキとは】
・中部地方以北の本州に分布するセリ科の多年草。山地の岩場に自生するが、乾燥させた根を薬用するため、江戸時代以降に民家や薬草園で栽培されるようになった。
・中国にも当帰と呼ばれる植物(カラトウキ)が育ち薬用されるが、本種とは別物。また、日本産のものはヤマトウキとホッカイトウキの二系統に分類され、前者の方が薬草としては良質とされる。
・トウキの葉は複数の小葉からなる羽根状で、茎から互い違いに生じる。表面は光沢のある濃緑色で大きく2~3つに裂け、裂片は鋭く尖る。学名にあるacutilobaは「尖った裂片」の意で、これに由来する。
・葉柄は長く、葉の基部は茎を包み込むように育つ。茎は丸くて赤紫色を帯び、株元から複数生じる。草丈は20~80センチほど。株全体にセロリのような特有の香りがある。
・トウキの開花は6~8月。白い小花が直径10センチほどの半球状に集まって咲く。小花は長い雄しべが目立ち、5枚の花弁は先端がくぼんで内側に湾曲する。果実は細い楕円形で直径6~20ミリほど。熟すと二つに裂ける。
・根は太く、根茎は長さ10~25センチほどと短いが、多数の側根がある。根茎から作る生薬には血の巡りをよくする効能があり、鎮痛、強壮、腰痛などに用いる。また、香りを楽しむための入浴剤や、健康増進のための薬膳(サンゲタンなど)に使うこともある。
・当帰という名の由来には諸説あるが、子供のできない嫁が実家へ戻されたが、当帰を服用したことで健康体になり、嫁ぎ先へ帰ったなどという、妊娠や女性の健康にまつわる説が多く、女性特有の病気に処方される傾向がある。
【トウキの品種】
・ミヤマトウキ(オオブカトウキ)
・ホソバトウキ
【トウキに似た植物】
・シシウド
・ノダケ
・セリ
・シラネセンキュウ
・オオバセンキュウ
・ハマウド
・ハマボウフウ
・アシタバ
トウキの基本データ
【分 類】セリ科/シシウド属
多年草
【漢 字】当帰(とうき)
【別 名】日本当帰
東当帰
【学 名】Angelica acutiloba
【英 名】Japanese Angelica Root
【開花期】6~8月
【花の色】白
【草 丈】~90cm