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タイモンジソウ/だいもんじそう/大文字草
Daimonji-sou(Saxifraga fortunei)
【ダイモンジソウとは】
・北海道~九州に分布するユキノシタ科の多年草。山地の渓流沿いや湿った岩場などに自生し、花の様子が漢字の「大」に見えることからダイモンジソウと名付けられた。
・日本以外では中国や朝鮮半島に分布。海岸から高山まで広い範囲に見られ、丈夫で育てやすいことから近縁のユキノシタよりも人気が高く、園芸品種も多い。
・ダイモンジソウの開花は7~10月。花には5枚の花弁があるが、下の二つが極端に伸びて「八」の字になり、花弁全体で「大」を描く。ただし、綺麗な「大」の字にならず左右非対称のものもある。
・花弁の色は白が基本だが、稀に淡いピンクの花弁のものもある。花は葉の間から伸びる長さ30センチほどの花茎の先端で、円錐状に集まって咲く。
・葉は円形で浅い切れ込みが入り、縁には粗いギザギザがある。フキの葉に似るためイワブキなどの別名があるが、葉の形は個体による変異が大きく、手のひら状になるものもある。
・葉の表面は濃緑色で疎らに毛を生じるが、多くは無毛。裏面は緑白色か暗い紫色。葉は株元から束になって生じる「根生葉」というタイプで、長い柄がある。
・ダイモンジソウの若葉は食用となり、茹でて水に晒したものを和え物、御浸し、油炒めや天婦羅にする。また、開花期に採取して乾燥させた全草を煎じて飲めば、利尿作用があるとされ、山間地で薬用されてきた。
【ダイモンジソウの品種】
・イズノシマダイモンジソウ
伊豆諸島や房総半島などに見られる品種で、茎葉が白い毛に覆われる。
【ダイモンジソウに似た植物】
古くから庭園に多用される近縁種。開花は初夏で、上側3枚の花弁に濃い紅色の斑点模様が入り、下2枚の花弁の幅はダイモンジソウやジンジソウよりも広い。
・ジンジソウ
ダイモンジソウにかなり似た花だが、5枚ある花弁のうち、上側の3枚に黄色いまだら模様が入り、下2枚の間隔がダイモンジソウのそれよりも狭く、「人」の字に見えるとして名付けられた。
ダイモンジソウの基本データ
【分 類】ユキノシタ科/ユキノシタ属
多年草
【漢 字】大文字草(だいもんじそう)
【別 名】イワブキ/イワボキ
ニワブキ
【学 名】Saxifraga fortunei
【英 名】─
【開花期】7~10月
【花の色】白あるいは淡いピンク色
【草 丈】~30cm