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タチアオイ/たちあおい/立葵
Hollyhock
【タチアオイとは】
・西アジア及び東ヨーロッパを原産とするビロードアオイの交雑種。古い時代に薬用として日本へ渡来し、栽培されていたものが野生化し、現代では郊外の道端や人家付近の空き地で普通に見られる。
・人名の影響からかアオイという植物があることは有名だが、アオイという固有種はない。古い時代にはフタバアオイやフユアオイをアオイと呼び、徳川家の葵の紋はフタバアオイを紋章としたもの。
・現代では本種をアオイと呼ぶことが多いが、本種は平安時代に唐葵(カラアオイ)と呼ばれていた。タチアオイと呼ぶようになったのは江戸時代に入ってからのこと。アオイは「仰日」のことで、太陽に向かって花が咲くことにちなむ。
・花は直径8~15センチのラッパ状で5枚ある花弁はやや螺旋状に巻く。葉の脇から生じた短い花柄に1~2輪ずつ咲くが、茎の上部1mほどにわたって咲くため、茎全体が花茎のように見える。
・壮観な開花の様は時代を超えて愛されたようで、イラク北部ではネアンデルタール人が死者への手向けとして使った花が出土しており、人類が観賞用に利用した最古の花の一つとされる。唐以前の中国では「蜀葵(しょくき)」と呼ばれ、最上の名花とされた。
・花色は白やピンクが多いものの品種が多様であり、紫色のもの、そして八重咲きのものもある。花の後にできる果実は直径2~3センチで、内部には多数の分果がある。
・直立する茎は緑色の円柱形で表面には硬い毛を密生する。葉は直径10~20センチの円形で茎から互い違いに生じる。浅く5~7つに裂け、基部はハート形。縁は緩やかに波打ち、触れるとザラつく。原種は1~2年草だが、日本では多年草になる。
【タチアオイに似た植物】
・ゼニアオイ
ヨーロッパを原産とする近縁種で同じ頃に淡い紫の花を咲かせる。葉の基部で順に咲き上がる様はよく似るが、葉は銭のように丸くて長い柄があり、タチアオイのような大きな裂け目がない。
・ムクゲ
・フヨウ
ユリ科の野草でかなり地味な花だが、タチアオイと呼ぶことがある。
タチアオイの基本データ
【分 類】アオイ科/タチアオイ属
多年草
【漢 字】立葵(たちあおい)
【別 名】アオイ/ハナアオイ
梅雨葵/ホリーホック
【学 名】Althaea rosea
【英 名】Hollyhock
【開花期】6~8月
【花の色】白、ピンク、赤、紫
【草 丈】~3m