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タカトウダイ/たかとうだい/高灯台
Taka-todai
【タカトウダイとは】
・本州、四国及び九州に分布するトウダイグサ科の多年草。トウダイグサの仲間で、草丈がより高くなるためタカトウダイと名付けられた。山地の道端、丘陵の草地、日当たりのよい畑などに生え、条件がよければ草丈80センチほどの大型になる。日本以外では朝鮮半島や中国に分布。
・タカトウダイの開花は夏で、春に開花するトウダイグサよりも遅い。花は茎の頂部から放射状に伸びる細い茎先で上向きの椀状に咲くが、この様子を昔の室内照明具であるトウダイ(灯台)になぞらえたのが、この仲間の名の由来であり、海の灯台とは関係がない。
・花の構造は分かりにくいが、黄色い楕円形の「腺体」を持つ雄花が四つ並んで四弁花のようになる。花を灯台に見立てたのは、この「腺体」が照明用の油を入れる皿に見えるため。
・タカトウダイは雌雄同株であり、雌花は子房の柄で杯から飛び出すように生じる。その先端(柱頭)は四つに裂け、子房の表面には小さな突起があるが、この突起は子房が球形の果実になっても残り、近縁種と見分けるポイントとなっている。
・葉は上下でかなり異なり、下半分の葉は長さ3~8センチの長楕円形で茎から互い違いに生じ、縁にギザギザはない。上部にある葉は円形に近く、直径は1~2センチほど。3~7枚の葉が車輪状に並ぶ。主張の乏しい植物だが、秋の紅葉は人目を惹く。
・茎は直立し、若いうちは表面に軟毛を生じる。茎を切ると白い液が出るが、タカトウダイは全草にユーフォルビンという有毒成分を含んでおり、乳液に触れると皮膚がかぶれ、誤食すると嘔吐、下痢、胃腸炎等を引き起こす。
・地下を這う根は長さ10センチほどで、ヒゲ根を生じる。漢方では根を「大戟(だいげき)」と呼んで利尿などに用いるが、刺激が強過ぎるため一般的ではない。
【タカトウダイの品種】
・ハマタカトウダイ
タカトウダイが海岸型に変化したもの。茎は匍匐し、葉は小型かつ厚めとなり、花柄は密集する。
【タカトウダイに似た植物】
・トウダイグサ(スズフリバナ)
北海道を除く日本各地に分布するトウダイグサ科の多年草。春に似たような花を咲かせるが、草丈は20~40センチほどにとどまる。本種と同様、茎葉の乳液に毒性がある。
タカトウダイの基本データ
【分 類】トウダイグサ科
トウダイグサ属
多年草
【漢 字】高灯台(たかとうだい)
【別 名】ハクトウダイゲキ
【学 名】Euphorbia lasiocaula
【英 名】─
【開花期】6~7月
【花の色】あるいは淡いピンク色
【草 丈】~80cm