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コスモス/こすもす/秋桜
Common cosmos
【コスモスとは】
・北アメリカ(アリゾナ)~ボリビアに至る暖地を原産とするキク科の一年草。特にメキシコは代表的な原産地であり、多様な野生種が育つ。メキシコからスペインに送られ、マドリッド植物園でコスモスと呼ばれるようになった。
・コスモスは「宇宙」「調和」「飾り」「美麗」意味するギリシヤ語で、花の美しさにちなんで名付けられた。日本では花の形がサクラに似ているとして「秋桜(あきざくら)」とも呼ばれ、「秋桜」をコスモスと読むことも定着している。
・コスモスが日本へ渡来したのは明治時代のことだが、日本の風土に馴染み、昭和の半ば以降には野生化して群生するようになった。丈夫な性質と高い繁殖力を持ち、一度コスモス畑を作れば、こぼれた種子によって毎年群生して花を咲かせる。秋の風物詩となっているが、生育地が競合する在来の草花にとっては厄介な侵入生物でもある。
・花は直径6センチほどで、周辺を縁取る花弁のような舌状花と、中央の管状花からなる。舌状花は10枚ほどで、先端が三つに裂け、色は白、赤を主として多様。管状花は黄色と濃い紅色で、花が終わるとクチバシ状の突起を持つ線形の果実ができる。花の裏側にある総苞片は緑色で16個あり、外側の8個は星形に開いて先端が尖る。
・コスモスの葉は茎から対になって生じ、深く裂けて糸状になる。
学名にあるbipinnatusは「2回羽状の」という意味で、本種の葉の形態に由来する。茎は無毛でまばらに分岐し、草丈は1.5~3mに達する。
・コスモスは成長が早く、種を蒔いた3か月後に開花し、挿し芽でも容易に繁殖することができる。早春に種を蒔けば初夏に、夏に蒔けば秋に咲くため、多様な切花や鉢植えが栽培、販売される。かつては秋の風物詩であったが、近年は6月頃から開花する早咲きの園芸品種が主流となっている。
【コスモスの品種】
・キバナコスモス
文字どおり夏に黄色い花を咲かせる品種。メキシコからの帰化植物で、各地で野生化したものが見られる。
コスモスの基本データ
【分 類】キク科/コスモス属
一年草
【漢 字】秋桜(こすもす)
【別 名】アキザクラ
オオハルシャギク
【学 名】Cosmos bipinnatus
【英 名】Common cosmos
【開花期】6~10月
【花の色】白、紅色など
【草 丈】~300cm