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コウゾリナ/こうぞりな/髪剃菜
Hawkweed oxtongue
【コウゾリナとは】
・北海道~九州に分布するキク科の二年草(越年草)。葉や茎に触れるとザラつく様を、ヒゲの剃り跡やカミソリに擬えてカミソリナ、これが転じてコウゾリナと呼ばれるようになった。丈夫な性質を持ち、日当たりのよい野山の道端、土手、野原、荒れ地に自生する。
・ザラザラの正体は茎や葉の両面にある赤褐色の剛毛で、その先端は二股になっている。名前のイメージほどザラつくわけではなく、少し手で触れる程度であれば痛くはないが、素肌をかすめると傷付くことがある。
・コウゾリナの開花は3~10月で花期は長いが、最も目立つのは4~5月頃。直径2~3センチのタンポポを小さくしたような花が、枝先で次々に咲いていく。
・花はキク科の共通の頭状花だが、管状(筒状)の花はなく、全て舌状花。日照があれば開くが、夜は閉じる性質を持つ。花の後にできる果実は赤味のある褐色で長さは5ミリほど。タンポポのような綿毛(冠毛)も全体に褐色を帯びる。
・コウゾリナの芽が出るのは秋。寒さが増すと根生葉は放射状に広がって地面に張り付き、その状態(ロゼット型)で越年し、開花期に枯れる。茎は多少分岐し、板のようになる「帯化現象」が見られることもある。
・開花前の柔らかな時季に採取した茎葉や蕾は食用となり、生で天婦羅に、茹でれば御浸し、和え物、酢の物に利用できる。また、中国では全草を煎じて利尿薬に使う。
【コウゾリナの品種】
・カンチコウゾリナ
北海道及び中部以北の本州に分布。高地の櫟地に見られる変種で、草丈は30センチ程度。コウゾリナに比べると株全体が黒っぽい。
・ハマコウゾリナ
関東地方南部~愛知県の海岸沿いに分布する変種。草丈20センチほどにしかならず、花はコウゾリナよりも小さい。
【コウゾリナに似た植物】
・ブタナ
コウゾリナの基本データ
【分 類】キク科/コウゾリナ属
二年草
【漢 字】髪剃菜/顔剃菜/剃刀菜
(こうぞりな)
【別 名】ウマノゴハン/コロモナ
カーズリ/カーゾレ
コーズリクサ
【学 名】Picris hieracioides
【英 名】Hawkweed oxtongue
【開花期】4~10月
【花の色】黄色
【草 丈】~100cm