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キレンゲショウマ/きれんげしょうま
Ki-rengesyouma(yellow wax bells)
【キレンゲショウマとは】
・紀伊半島、四国及び九州に分布するアジサイ科の多年草。自生は限られた地域の林内や湿った石灰岩地だが、花の少ない盛夏に日陰地でも鮮やかな花を咲かせるため、観賞用に苗木が流通する。
・一属一種の独立した植物であり近縁種はないが、丸みを帯びた萼や花の様子がキンポウゲ科のレンゲショウマに似るとして、キレンゲショウマと名付けられた。日本以外では中国東部と朝鮮半島に分布。
・自生が稀であることに加え、野生動物による食害が進んだため、現在は絶滅が危惧されている。キレンゲショウマが発見されたのは1889年だが、1996年に宮尾登美子氏が本種を重要なモチーフとした小説「天涯の花」を発表し、それがテレビドラマ化されると注目が集まった。キレンゲショウマの名所は、同小説の舞台でもある徳島の剣山、宮崎県の黒岳、神戸の六甲山など。
・キレンゲショウマの開花は7~8月。頂部や葉の脇から伸びた花茎に、直径1~1.5センチほどの黄色い花がまばらな円錐状に集まって咲く。花は釣鐘型で、5枚ある花弁は長さ2~3センチの長楕円形で螺旋状に並ぶ。
・花の中央には長さ2センチほどの雌しべ(花柱)が3~4本あり、その周りを10~15本の雄しべが二重に取り囲む。雄しべの長さは3~4センチで、外側ほど長い。
・花の後には画像のような乾いた果実ができ、熟すと三つに裂けて翼のある小さな種子を落とす。果実の直径は1~2センチほどで、頂部には花柱の跡が残る。
・キレンゲショウマの葉は長い柄があり、茎から対になって生じる。若くて小さな葉は先の尖った卵形だが、大きなものは直径10~20センチで、カエデのような切れ込みが入り、縁に粗いギザギザがある。葉は両面とも細毛に覆われるが、茎は無毛で分岐せず、高さ80センチほどに育つ。
【キレンゲショウマに似た植物】
キレンゲショウマの基本データ
【分 類】アジサイ科
キレンゲショウマ属
多年草
【漢 字】黄蓮華升麻(きれんげしょうま)
【別 名】コダチレンゲショウマ
【学 名】Kirengeshoma palmata
【英 名】Yellow wax bells
(Ki-rengeshoma)
【開花期】7~8月
【花の色】黄色
【草 丈】~120cm