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キツネノマゴ/きつねのまご/狐の孫
Rat-tall willow
【キツネノマゴとは】
・本州、四国及び九州の暖地に分布するキツネノマゴ科の一年草。日当たりのよい場所を好み、道端や田畑の畔、川原などで普通に見られる。日本に分布するのは在来種で、朝鮮半島、中国本土や台湾にも自生する。
・キツネノマゴという名前の由来には、花穂がキツネのシッポに似て孫の様に小さいことによるとする説、あるいは「マゴ」は「ママコナ」の転訛したもので、ママコナに似た植物で、花穂や茎に毛が多いことによるとする説がある。別名は神楽草(かぐらそう)。
・開花は盛夏~初秋。枝先に伸びる穂状の花序に、直径5~7ミリほどの唇形の花が1~5輪ずつまばらに咲く。上唇は先端が二つに、下唇は三つに裂け、そられの縁は糸状の膜質になる。
・花は白い部分が多いが、下唇に紅紫の模様が入っており、そのイメージから全体的に淡い紅紫に見える。花弁は散りやすく、道端では萼だらけの花穂になっていることが多い。
・花の後にできる果実は細長い楕円形。熟すと自然に縦に裂け、直径1.5センチほどの黒い種子が弾け飛ぶ。毛の密生する果穂から四つの種子が弾ける様を、キツネの出産に見立てたのが名前の由来だとする説(牧野富太郎氏)もある。
・キツネノマゴの葉は長さ2~5センチ、幅1~2センチの卵形。縁にギザギザはなく、先端が尖り、茎から対になって生じる短い柄に続く。茎は断面が四角~六角形で赤味を帯びた節があり、節ごとに少し曲がって育つ。
・茎は地際で分岐し、下部は地面を這うが、上部はまばらに分岐しながら斜めに立ち上る。茎や葉の両面に短毛があり、手で触れるとザラつく。
・民間療法では生の葉の絞り汁を筋肉痛や肋間神経痛に、乾燥させた茎葉を煎じたものは鬱病の精神安定に用いる。
【キツネノマゴの品種】
・キツネノヒマゴ
冗談のような名前だが、南西諸島に実在する小型の品種。
【キツネノマゴに似た草花】
ヒメジソ イヌコウジュ
キツネノマゴの基本データ
【分 類】キツネノマゴ科/キツネノマゴ属
【漢 字】狐の孫(きつねのまご)
【別 名】神楽草(かぐらそう)
【学 名】Justicia procumbens
【英 名】Rat-tall willow
【開花期】8~10月
【花の色】白と淡い紅紫
【草 丈】~40cm