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カシワバハグマ/かしわばはぐま/柏葉羽熊
Kashiwabahaguma(Pertya robusta)
【カシワバハグマとは】
・宮城県以南の本州、四国及び九州に分布するキク科コウヤボウキ属の多年草。東日本の太平洋側に多く、クヌギやコナラが生えるような低地の乾いた林内を特に好む。
・葉がカシワに似るためカシワバハグマと名付けられたという説が一般的だが、葉の形状はむしろアカメガシワに近い。また、「ハグマ」はウシ科の動物であるヤクのシッポの毛でできた羽熊(白熊)のことで、兜や僧侶の持つ払子(ほっす)の装飾に使われたものだが、花の形がこれに似ることに由来する。
・開花は9~11月で、緑色をした筒のような「総苞」の上に、10個前後の小花が集まって咲く。コウヤボウキの花に似ており、花弁は糸のように細かく裂ける。果実は長さ1センチほどで白あるいは褐色の綿毛があり、花にもまして羽熊に見える。
・葉は長さ10~20センチ、幅7~12センチで厚みがあり、表面は光沢のある濃緑色だが、両面と縁には細かな毛がある。葉の縁には先端にかけて4~5対の大きな欠けがあるのが特徴。茎の中程に6~7枚がまばらに集まって生じ、長い柄を持つが、花の咲く茎の葉は小さな卵形で柄もない。
【カシワがハグマに似ている植物】
・クルマバハグマ
カシワバハグマの少ない近畿以西に見られる品種で、葉に大きな欠けがない代わりに細かなギザギザがあり、葉柄のない葉が輪状に集まる。
・オヤリハグマ
東北から関東北部に多い品種で、葉が浅く三つに裂ける。小花が一つずつ咲くため寂し気だが、その様子を槍に見立てて御槍羽熊と名付けられた。
カシワバハグマの基本データ
【分 類】キク科/コウヤボウキ属
多年草
【漢 字】柏葉羽熊(かしわばはぐま)
【別 名】─
【学 名】Pertya robusta
【英 名】Kashiwaba-haguma
【開花期】8~9月
【花の色】白
【草 丈】~60cm