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ミヤママタタビ/みやままたたび/深山股旅
Kolomikta-vine
【ミヤママタタビとは】
・北海道及び中部地方以北の本州に分布するマタタビ科の蔓性植物。マタタビの仲間だが、より標高の高い深山に多いため、ミヤママタタビと名付けられた。日本以外では朝鮮半島、中国、東シベリアなどのアジア東北部に分布。
・マタタビによく似るが、花の終わりに葉先が白からピンク色に変わることや、蔓の内部にある「髄」が淡い褐色で、タケの節のようになることがマタタビとは異なる。また、ネコはマタタビを好むが、本種には惹かれない。
・ミヤママタタビの開花は6~7月。その年に伸びた枝葉の脇に、白い花を下向きに咲かせる。雌雄異株で雄株には雄花が1~3輪ずつ、雌株には雌花が一輪ずつ咲くが、稀に両性花もある。マタタビに比べると花は小さく、直径1~2センチほど。花弁は4~5枚ある。
・葉は長さ5~12センチの卵形で、蔓から互い違いに生じる。薄い紙質の卵形で先端は鋭く尖り、縁には不規則なギザギザがある。基部は多少ハート形になり、それを本種の特徴とすることもあるが、円形になることもある。若菜は天婦羅や和え物にして食べることができる。
・マタタビは花の終わりに、近くの葉の表面全体が白くなるが、本種は葉先だけが白くなった後、ピンク色に変わる。また、若い枝や蔓も紫がかった褐色となり、マタタビよりも全体に赤みがある。ツルの表面に細かな毛を生じるのもマタタビとの違い。
・果実は長さ1.5~2センチの長楕円形で先端はあまり尖らず、マタタビよりも丸みを帯びる。果肉が熟すのは8~9月。マタタビのようなオレンジにはならず、黄緑色のままで終わるが食用となる。乾燥させて擂り潰したり、塩漬けにして食べるのが普通であり、手を加えればマタタビ同様にマタタビ茶やマタタビ酒も造ることができる。
【ミヤママタタビの育て方のポイント】
・寒冷地に自生する植物であり、耐暑性は乏しい。夏の暑さと乾燥の厳しい低地でもギリギリ育つが、成長は遅く、花や実も少ない。
・植栽の適地であれば、成長は早く、繁茂しやすい。フェンスに這わせたり、棚を作って管理するのが普通。マタタビのように近所の猫が集まることもない。
・乾燥を苦手とするため植穴には腐葉土や堆肥を漉き込んで排水性と保水性を高めたい。
【ミヤママタタビに似た植物】
・マタタビ
・サルナシ
・キウイ
ミヤママタタビの基本データ
【分類】マタタビ科/マタタビ属
落葉広葉/つる性木本
【学名】Actinidia kolomikta
【漢字】深山木天蓼
【別名】─
【成長】早い
【移植】難しい
【長さ】15m以上
【用途】果樹
【値段】─