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ヒヨドリジョウゴ/ひよどりじょうご/鵯上戸
Bittersweet Herb
【ヒヨドリジョウゴとは】
・北海道から沖縄まで日本全国に分布するナス科の多年草。日当たりのよい場所を好み、林縁、山の斜面、草地、川岸、道端などで他の樹木などに絡みついて育つ。
・中国最古の薬物学書である「神農本草経」ではヒヨドリジョウゴの茎葉を、長寿を保つ上質な薬草としているが、全草にジャガイモの芽と同じソラニンという毒性物質を含む。果実などを誤って食べると嘔吐、下痢、腹痛、胃炎、呼吸困難を招き、最悪の場合は命に関わる。
・漢名を「白英」または「穀菜」といい、民間療法では食酢に漬けた茎葉を帯状疱疹の外用薬に、煎じたものを解毒、解熱、利尿促進に使う。
・ヒヨドリジョウゴの開花は夏の終わり(8~9月)。ナスやホオズキに似た直径5ミリほどの五弁花が、花柄の先端で下向きに咲く。花弁は淡い紫を帯びた白で、開くと後ろに反り返り、その基部には緑色の斑点模様がある。5本ある雄しべは合体するように雌しべを取り囲み、黄色い葯が目立つ。花言葉は「真実」など。
・花の後にできる果実は直径8ミリほどで、ミニトマトを小さくしたような球形。緑から赤に熟し、日に透かすと中にある多数の種子が見える。この赤い果実がヒヨドリの好物であることに由来し、ヒヨドリジョウゴと名付けられた。ちなみに上戸(じょうご)とは下戸の反対で、大酒飲みを意味する。
・ヒヨドリジョウゴの葉は茎から互い違いに生じ、上部にある葉は卵形だが、中間より下にある葉は3~5つに裂ける。茎は細長く、下部は木質化する。茎や葉には柔らかい毛が密生し、手で触れるとベトベトスルが、これによって他の植物などに絡みつく。
【ヒヨドリジョウゴの育て方のポイント】
・蔓性植物としては成長が盛んな方ではないが、マメに手入れして育てるようなものではなく、放任しても育つ。
・環境によっては手に負えないほど繁茂することもある。他の樹木と干渉しないような広い場所で、棚やトレリスを作って育てるのがよい。
・全草に毒性があるため、小さな子供やペットがいる家庭には不向き。
【ヒヨドリジョウゴの品種】
・ヒロハヒヨドリジョウゴ(広葉鵯上戸)
名前のとおり、葉の幅が広い品種。
・ムラサキヒヨドリジョウゴ
ムラサキの花が咲く品種
・キミノヒヨドリジョウゴ
黄色い果実がなる品種
【ヒヨドリジョウゴに似ている植物】
・テリミノイヌホオズキ ハダカホオズキ
マルバノホシロ ヤマホシロ
ヒヨドリジョウゴの基本データ
【分類】ナス科 ナス属
つる性多年草
【別名】ツヅラゴ/チャラコ/ホロシ
【学名】Solanum lyratum
【成長】かなり早い
【移植】簡単だが掘り起こすのが困難
【高さ】5m~10m
【用途】棚/トレリス
【値段】─(市場での流通は稀)