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テッセン/てっせん/鉄線
Cream Clematis
【テッセンとは】
・中国南部を原産とするキンポウゲ科のツル性植物。ツルの硬さを鉄の線になぞらえた漢名「鉄線蓮(てっせんれん)」を語源として名付けられた。日本へ渡来したのは寛文年間(1661~73年)ころで、観賞用に植栽されるほか、絵画の題材や模様のモチーフに使われる。
・現代においては本種を含むクレマチス類がガーデニングで人気を博しており、本種はやや地味なクレマチスと見られがちだが、日本産のカザグルマ、ヨーロッパ産のピチセラやインテグリフォリアなどと共に数百あるクレマチス属の重要な原種の一つとされる。
・テッセンの開花は5~6月で、花はその年に伸びた枝の葉の脇に一輪ずつ咲く。花の直径は5~8センチで中央には白い毛に覆われた雌しべがあり、それを囲むようにして多数の雄しべ、さらにその外側には花弁のようなクリーム色の萼片が6枚あり、花弁は退化して欠如している。
・花の後には痩せた果実ができ、10月頃に熟す。果実には雌しべから変化した長毛を付着させるのが特徴。実生のほか接ぎ木、挿し木でも繁殖できる。
・葉は3枚の小葉がついた柄が2~3本出る「3出複葉」または「2回3出複葉」と呼ばれるタイプで、ツルから互い違いに生じる。小葉は卵形で縁にギザギザはなく、表面は濃緑色。両面ともに細かな毛を生じる。
・ツルは淡い褐色でやや角ばり、直径は最大でエンピツほどになる。 鉄線の名のとおり丈夫で強く、ツルと葉柄を他物に絡めながら上方へ成長する。
【テッセンの育て方のポイント】
・排水のよい肥えた土壌を好むが、適応力があり土質を選ばずに育つ。ただし、乾燥した場所は苦手であり、多少の湿気が必要。
・成長が早くて繁茂しやすいが、放任するよりも適度に剪定した方が花付きがよくなる。剪定の適期は2月頃。
【テッセンの品種】
ネリーモーザー、ラモナなど多数
【テッセンに似た植物】
テッセンと共にクレマチスの重要な原種とされる。本州~九州の山地に自生し、花は普通、テッセンよりも大きい。萼片は白あるいは淡い紫で、8枚あるのがテッセンとの大きな違い。生け花ではカザグルマもテッセンと呼ぶことがある。
テッセンの基本データ
【分類】キンポウゲ科/センニンソウ属
落葉つる性植物
【別名】テッセンカズラ
テッセンレン(鉄線蓮)
【漢字】鉄線(てっせん)
【学名】Clematis florida
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】2~3m
【用途】フェンス/生け花
【値段】1200円~