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カロライナジャスミン
Carolina jasmine
【カロライナジャスミンとは】
・北米南部及びグアテマラを原産とする蔓性の低木。丈夫な性質を持ち、あまり環境を選ばずに育つことから、都市部の街路や遊歩道、公園やショッピングモールの植え込みなどに使われることが多い。
・お茶や香水の原料して知られるモクセイ科のジャスミン(代表はマツリカ。日本ではオウバイやキソケイなど)とは関連がないものの、甘い花の香りがそれらに似ていることから命名された(実際の花の香りはジャスミンよりも弱い。)。カロライナは自生地であるアメリカの地名から。
・花期は春(4月~5月頃)で、画像のようにラッパ状の黄色い花を次々に開花させる。花の直径は2センチほど。「素直」「気立ての良さ」「長寿」などの花言葉がある。
・蔓性であり、放任すれば壁や他の樹木を伝って蔓を伸ばしていく。葉は小さいが厚手で、緑色が濃く、秋になると紅葉を楽しむことができる。
・根や茎を含む木全体にゲルセミン(プロトピン)という有毒物質を含み、誤って口にすると下痢や嘔吐、そして酷い場合には意識障害や心臓麻痺を引き起こす。ジャスミンティーとして誤用するのはお話にならない。原産地のアメリカではリウマチや喘息の薬として使われることもあった。
【カロライナジャスミンの育て方のポイント】
・上記のとおり木全体に毒性を持ち、肌が弱い人は、樹液が皮膚に付着するだけでかぶれを起こすこともある。
・暖かい地方が原産であるものの、耐寒性はある。ただし、冬場の最低気温が-5℃を下回る地域での露地植えは厳しい。
・日向であればあまり土質を選ばずに育つが、放任すると花がまばらに咲いている印象になるばかりか、他の樹木の成長を阻害するおそれがあるため、園芸用の紐等で誘引し、トレリスやフェンス状に仕立てるのが望ましい。
【カロライナジャスミンに似ている木】
・ハゴロモジャスミン
白い花を咲かせる品種。無毒であり、ジャスミンティーにも使われる。小さな子供やペットのいる家庭ではカロライナジャスミンよりも使いやすい。
カロライナジャスミンの基本データ
【分類】マチン科(ゲルセミウム科)
ゲルセミウム属 常緑広葉つる性
【漢字】格阿利納茉莉花
【別名】ゲルセミウム/ニセジャスミン
イエロージャスミン
トランペットフラワー
【学名】Gelsemium sempervirens
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】3m~7m
【用途】棚/フェンス
【値段】500円~