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イワガラミ/いわがらみ/岩絡み
Climbing hydrangea
【イワガラミとは】
・北海道から九州まで日本全国に見られるアジサイ科のツル性植物。ツルから気根を生じ、大きな岩や木に絡まりながら育つため、イワガラミと名付けられた。
・林の縁や岩場などに自生しており、庭に使われることは少ないが、ツル性であるため、いわゆるガーデニングでは立体的な演出に用い、近年では壁面緑化に使われる例もある。
・開花は5~7月でガクアジサイと重なり、よく似たツルアジサイよりは半月ほど遅い。花びらのように見えるのはアジサイ同様、装飾花と呼ばれるもので、花が枯れた後も落ちずに残る。自生種での装飾花は白いが、栽培品ではピンク色になるものもある。
・イワガラミの本当の花の内側でモヤモヤしている部分で、同時期に咲くクリに通じる精臭がある。小さなクリーム色の花は両性花で、1本の雌しべと10本の雄しべ、そして5枚の花弁があるが、花弁は開花後すぐに落下する。
・葉は卵形でツルから対になって生じる。先端の縁には粗くて鋭いギザギザがあるのが特徴。ツルは7~10mほどに育ち、ツルから伸びる枝は垂れ下がり気味に育つ。
【イワガラミの育て方のポイント】
・丈夫な性質を持ち、放置しても育つ。ただし、乾燥と暑さを嫌うため、湿気があり、かつ、水はけの良い場所に植えるのが望ましい。
・ヤドリギなどのように他の樹木に寄生するようにも見えるが、水分や養分を奪うことはない。ただし、繁茂すると絡まれて日陰となった植物の勢いは落ちる。
・壁面緑化や緑のカーテンに使う場合、植え付け直後は支柱などで支える必要がある。
・挿し木や取り木で簡単に増やすことができる。
【イワガラミに似ている木】
イワガラミの装飾花はスペード形で1枚ずつ生じるが、ツルアジサイは装飾花(萼片)は「田」の字に4枚ある。また、ツルアジサイの葉には、より細かな鋸歯がある。
イワガラミの基本データ
【分類】ユキノシタ科 アジサイ属
落葉 つる性植物
【別名】ユキカズラ
【学名】Schizophragma
hydrangeoides
【成長】やや遅い
【移植】簡単だが、掘り起こすのが難儀。
挿し木で増やすのが一般的。
【用途】棚/壁面緑化/緑のカーテン
【値段】700円~