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コデマリ/こでまり/小手毬
Kodemari(Reeves Spirea)
【コデマリとは】
・中国中部~南部に自生するバラ科の落葉低木。春から初夏に咲く花と清楚な枝の雰囲気が好まれ、公園や庭園に植栽されるほか、切花用に栽培され、生け花では名脇役として多用される。
・小さな花が手毬状になって枝先に並ぶため、同じ頃に咲くオオデマリに対してコデマリと名付けられた。オオデマリはレンプクソウ科でヤブデマリの品種だが、花序(花の集りは直径5~10センチ。コデマリの花序は直径3~5センチほどで明らかに小さい。
・日本へ渡来した時期は不明だが江戸時代からコデマリと呼ばれ、庶民の間で親しまれてきた。中国名は「小粉団花」あるいは「麻葉繍毬」。日本では連続する花の様子を、山伏が首に掛ける「鈴懸」に見立てたスズカケ(プラタナスと同じ理屈)や、中国名に由来すると思われる「団子花」という別名がある。
・コデマリの開花は新葉の展開と同じ4~6月。ユキヤナギと混同されやすいが、直径1センチほどの円形の花が10~20輪ほど集まって手鞠状になる。なお、年末年始に切花として出回るのは、促成栽培されたもの。
・花の後には直径2ミリほどの果実ができ、8~10月になると褐色に熟す。食用にならず見栄えもしないことや、挿し木や株分けで容易に増やせるため、果実や種子はあまり見向きされない。
・葉は菱形に近い楕円形で、ヤマブキに似る。先端が尖り、基部はクサビ形。葉の上半分の縁には細かなギザギザがあり、両面とも無毛だが裏面は粉を吹いたように白くなる。葉は長さ2~4センチほどだが個体差があり、葉が極端に大きいものや小さいものを、品種として扱うことがある。
・コデマリに主だった幹はなく、地際から細い茎が多数生じて株立ち状になる。成長に伴ってよく分岐し、枝先は同じ方向に垂れ下がりやすい。
【コデマリの育て方のポイント】
・花木の中では日陰や寒さに強い部類で、北海道南部から沖縄まで植栽できる。やや湿った肥沃な土地を好むが丈夫な性質を持ち、場所を選ばずに植えることができる。
・花数を多くしたい場合は日向に植えた方がよいが、建物の北に面した庭にも使われ、半日陰程度なら花も咲く。
・刈り込みに強いが弓なりに伸びた自然樹形を観賞するのが基本。大きな庭で放任するのが理想だが、スペースに制約がある場合、3~4年に一度、全ての幹(茎)を地際で刈り取れば、小さく育てることができる。
・花は前年に成長した枝から出る新枝の先端に咲くため、秋以降に剪定すると花が咲かないこともある。剪定の適期は花の直後。枝が硬いため剪定はややしづらい。
・株が大きく成りすぎると木の勢いが衰えて花付きが悪くなるため、定期的に株分けするとよい。
・苗木はさかんに流通しているが、すでに手持ちの株がある場合、前年度の枝を3月頃に切り取って挿せば簡単に増やすことができる。
・病害虫は少ないが、混み入った枝葉を放置して通風が悪くなるとアブラムシや、うどん粉病の被害に遭うことがある。また乾燥が続いた場合、早期に落葉することがある。
【コデマリの品種】
・八重咲きの「ヤエノコデマリ(ヤエコデマリ)」や、葉に模様が入る「斑入りコデマリ(ピンクアイス)」、若葉が黄色になる「オウゴンコデマリ(キバコデマリ)」などが知られる。特にピンクアイスは人気が高い。
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コデマリの基本データ
【分類】バラ科/シモツケ属
落葉広葉/低木
【漢字】小手毬/小手鞠
【別名】スズカケ/テマリバナ
ダンゴバナ(団子花)
【学名】Spiraea cantoniensis
【英名】Reeves spirea
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】花木/切り花/公園
【値段】500円~