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カゴノキ/かごのき/鹿子の木
Kagonoki tree
【カゴノキとは】
・茨城県及び石川県以西の暖地に分布するクスノキの仲間。「籠」を連想させる名前だが「籠」ではなく「鹿子」であり、成木の樹皮が鹿の子供のような斑(まだら)模様になることにちなむ。日本のほか台湾、中国中南部及び朝鮮半島南部にも自生。
・まだら模様の樹皮は幹の直径が20センチを超えるあたりから見られる。林間にあっても人目を惹く木肌であり、特に落葉期は遠目にもそれと分かる。
・同じように樹皮が不規則に剥離する木には、サルスベリ、プラタナス、リョウブ、ナツツバキ、シロマツなどがある。
・カゴノキの葉はカナメモチに似た革質で、表面は年間を通じて光沢があり、裏面は白っぽい。葉が入れ替わる春には古い葉が黄色くなって落葉する。葉は枝から互い違いに生じる互生で、葉を擦り合わせるとクスノキ科特有の香りがある。
・カゴノキの開花は7~9月で、クスノキやゲッケイジュに似た淡い黄色の花が咲く。雌雄異株で、雄株に咲く雄花は9本の雄しべが突き出ており、雌株に咲く雌花には1本の雌しべと花弁のような4枚の総苞片があり、3~4輪がひとまとまりになって咲く。
・雌花の後には実ができるが、赤く熟すには約1年もかかり、翌年の花と一緒に見ることができる。
・カゴノキの材は淡い赤味を帯びる。硬質で緻密であるため、床材、建材、楽器、器具はもとより、太鼓の胴や船のマスト、車輪や銃台などに使われた。
【カゴノキの育て方のポイント】
・寒さに弱く、茨城県の北部が自生の北限となっている。北海道や東北地方では育てられない。
・適度に湿った場所を好む。耐潮性があり、防潮林にも使用できる。
・成長が早く、大木となる。一般家庭に植えるような木ではなく、実際に植栽例はほとんどない。このため希少性や話題性があるとはいえる。
【カゴノキに似た木】
・ハマビワ
カゴノキの基本データ
【分類】クスノキ科 ハマビワ属
常緑広葉 高木
【漢字】鹿子の木(かごのき)
【別名】カゴカシ/カゴガシ(鹿子樫)
カノコガ/コガノキ
【学名】Litsea coreana
【英名】Kagonoki tree
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】15m~20m
【用途】公園
【値段】800円~