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マメザクラ/まめざくら/豆桜
Pigmy Cherry
【マメザクラとは】
・本州中部の山地に分布するバラ科の落葉樹。日本に自生する原種のサクラの一種で花、葉、樹高が他のサクラほど大きくならないためマメザクラと名付けられた。富士山や箱根付近い多いため別名は「富士桜」あるいは「箱根桜」。
・マメザクラの開花は3月下旬~5月上旬。前年に伸びた枝葉の基部に、直径2センチほどの小ぶりな花が1~3輪ずつ、下垂あるいは横向きに咲く。5枚ある花弁は広い楕円形で、色は白あるいは薄ピンク。中心部は色濃い。雌しべは1本で雄しべは多数。紅褐色をした長めの萼筒がある。花柄は1~2センチ前後。
・花の後にできる果実(サクランボ)は直径1センチ弱の扁平球。6月頃に黒く熟せば甘味があって食用になる。果実は垂れ下がらず、跳ねるよう横向きにできる。
・葉は細長い卵形あるいは菱形に近い楕円で、長さは3~5センチほど。サクラの仲間では最も小さい。葉の先端は尾状に長く伸びて縁はギザギザが多く、付け根には一対の小さな蜜腺がある。両面の葉脈上と葉柄には短毛が見られる。
・樹高は最大10mほどになるが、株元から複数の幹を立てる株立ち状にないりやすく、一般的には3~5mほどの高さにとどまるものが多い。樹皮は暗い灰色で触れるとザラつく。
【マメザクラの育て方のポイント】
・火山地帯の産であり土質はあまり選ばないが、日当たりがよく、かつ湿気の多い場所を好む。乾燥地では育ちが悪い。
・耐寒性が高く、冬場の気温がマイナス20℃になるような地でも育つ。
・他のサクラ類と異なり、樹高が低くても花を咲かせるため、盆栽にしても花を観賞することができる。
・枝はよく分岐し、樹形は自然に整いやすい。芽を出す力は弱く、むやみに剪定すると衰弱する。
・実生や接ぎ木で容易に増やすことができる。
【マメザクラの品種】
・花が二重のフタエマメザクラ、40枚前後の花弁が重なる園芸品種オシドリマメザクラ、萼や花糸などが鮮やかな緑色になるミドリザクラ(リョクガクザクラ)、萼の幅が広くギザギザのあるヤブザクラ、ヤママメザクラ、キンキマメザクラ、アカネヤエ、ブコウマメザクラ、オオバナマメザクラなどの変種、品種、雑種がある。キンキマメザクラは近畿地方に多い品種で葉が大きい。
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マメザクラの基本データ
【分類】バラ科/サクラ属
落葉広葉/小高木
【漢字】豆桜(まめざくら)
【別名】フジザクラ/ハコネザクラ
【学名】Cerasus incisa
var.incisa
【英名】Pigmy Cherry
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】3~10m
【用途】盆栽/公園/花材
【値段】1、500円~