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ホザキナナカマド/ほざきななかまど/穂咲七竈
False spiraea
【ホザキナナカマドとは】
・北海道、下北半島及び本州中北部の山地に分布するバラ科の落葉低木。暑い盛りに咲く清楚な花が涼しげであり、産地以外でも庭木として使われる。日本のほか朝鮮半島や中国にも見られる。
・ナナカマドに似た葉を持ち、穂状の花が咲くためホザキナナカマドと名付けられたが、ナナカマドよりはるかに小さい木であり、あまり似ていない。花の雰囲気はチンシバイやシモツケに似る。
・開花は7~8月で小さな白い花が、長さ10~25センチの花序で円錐状に集まって咲く。花の直径は8~10ミリほど。多数の雄しべが花弁の外側へ飛び出すのが特徴であり、チンシバイと見分ける際のポンととなる。
・花の後にできる実は直径4~6ミリの楕円形。9~10月頃、褐色に熟せば自然に裂けて、中から種子が飛び出す。種を蒔けば増やすことができる。
・葉は画像のように長さ6~10センチほどの小葉が先端に一枚と葉軸に6~11対集まってできる。葉柄はなく枝から直接生じ、表面は無毛で縁には細かなギザギザがあり、若い葉の裏面は長い毛が密生する。秋には黄葉し、寒冷地では特に美しい。
・冬芽は紅色でイソギンチャクのような形になり、他の木々に先駆けて展開する。その様子の美しさも本種の魅力の一つ。ホザキナナカマド属の木はアジアと北米に約10種あるが日本には本種のみが分布する。
【ホザキナナカマドの育て方のポイント】
・刈り込みによって高さを維持することができるものの、花はその年にできた枝に咲くため、春から夏の間は強度の剪定をしない方がよい。
・暑さ寒さに強く、日向であれば土質を選ばずに育つ。花の数や紅葉の美しさを犠牲にするのであれば、半日陰程度でも育てられる。
【ホザキナナカマドの品種】
・セム
原種よりもさらに樹高の低い矮性種。扱いやすいため一般家庭の使用に向く。
【ホザキナナカマドに似ている木】
・シモツケ
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ホザキナナカマドの基本データ
【分類】バラ科/ホザキナナカマド属
落葉広葉/低木
【漢字】穂咲七竈(ほざきななかまど)
【別名】─
【学名】Sorbaria sorbifolia (L.)
A.Braun var.
stellipila Maxim.
【英名】False spiraea
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】1m~3m
【用途】下草/花材
【値段】1500円~