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プラタナス/ぷらたなす
Plane tree/buttonball tree
【プラタナスとは】
・スズカケノキ科の落葉高木。大きな葉で木陰を作ることを目的として、北海道から九州まで日本各地に植栽される。古代ギリシャ時代から並木に使われ、現代でも広範かつ大量に街路樹として植栽されており、トチノキ、ニレ、シナノキと共に「世界四大並木樹種」の一つに数えられる。
・鈴をぶら下げたような果実がなることで、別名「スズカケノキ(鈴掛木)」の方が有名なくらいだが、一般にスズカケノキと呼んでいるのは、モミジバスズカケノキであることが多い。日本には他にアメリカスズカケノキとスズカケノキがあり、世界では7種類のプラタナスが知られる。
・スズカケノキ(南東ヨーロッパ及び西アジア原産)とアメリカスズカケノキ(北米原産)が日本へ来たのは明治時代前半のこと。この両者の人工交配種であるモミジバスズカケノキはイギリスで作られたもので、上記の二種と同時期に渡来し、新宿御苑で増殖された。
・日本で初めてプラタナスが街路樹として使われたのは明治39年のこと。場所は東京都港区田村町交差点(現在の西新橋交差点)付近で、その本数は十数本であったというが、最盛期には都内だけで5万本を超すプラタナスが街路樹に使われた。
・上記3種類のプラタナスを見分けるのは難しいが、葉の切れ込みが大きい順に、スズカケノキ > モミジバスズカケノキ > アメリカスズカケノキとなる。一番切れ込みの大きいスズカケノキは、葉の半分以上まで切れ込みが入る。また、スズカケノキは果実が2~7個単位でできるが、アメリカスズカケノキは1個ずつ、モミジバスズカケノキは2~4個ずつできる。
・別名スズカケノキについては「鈴掛け」以外にも、山伏が着ていた篠懸と呼ばれる法衣に由来するという説があり、これには鈴のような首飾りが付いていた。英語では「プレーン(Plane)」が一般的だが、果実を鈴ではなくボタン(button)に例え「バトンボールツリー」「バトンウッド」などとも呼ぶ。果実は直径4センチほどで秋になると褐色に熟し、基部には長毛が密生する。
・葉は枝から互い違いに生じ、掌状に3~7つに裂ける。学名にもなっている「プラタナス」はラテン語で「葉の広い」を意味し、葉は直径20~25センチにもなる。古代ギリシャでは哲学者がその木陰で道を説いたといわれ、プラタナスは学者や天才の象徴とされてきた。
・雌雄同株で、新葉が展開する春(4~5月)になると雌雄それぞれの花を咲かせる。花は実と同じような形だが、大高木であることと花が高い位置に咲くことで観察は難しい。花は雌雄ともに小花が集まった球体となり、黄色い雄花は直径1センチ、淡い緑色の雌花は1.5センチほどになる。
・樹高は30mを超え、大木になると樹皮が不規則に剥離して緑、白、褐色のまだら模様になるが、アメリカスズカケノキは縦に割れが生じるのみで、樹皮は剥離しない。
【プラタナスの育て方のポイント】
・環境への適応力が高く、排気ガスに強い。土質も選ばず丈夫に育つが、日向が好きな「陽樹」であり、健全な生育には十分な日照が必要。
・大気汚染、強風、潮風に強く、総じて生命力がある。根だけ残すように切断しても復活する。かつては街路樹としての需要が高かったが、枝葉の処理にコストがかかるため、近年は減少傾向にある。
・自然樹形が美しく、小さくまとめるように剪定することはできないが、かなり剪定に強いため街路樹では「コブ状」に切られることが多い。
・テッポウムシやゴマダラカミキリの被害に遭うことがある。樹皮の下に産み付けられた卵から孵化した幼虫は、内部の材を食べて育つため、木の周りにオガ屑のようなもの(幼虫の糞)があった場合、これらの存在を疑った方がよい。
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プラタナスの基本データ
【分類】スズカケノキ科
スズカケノキ属
落葉広葉/高木
【漢字】鈴懸の木/篠懸の木
【別名】モミジバスズカケノキ
カエデバスズカケノキ
プラタヌス/ボタンノキ
【学名】Platanus spp.
【英名】Plane tree
Buttonball tree
London planetree
【成長】かなり早い
【移植】簡単
【高さ】10~50m
【用途】公園/街路樹
【値段】3、000円~