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フゲンゾウ/ふげんぞう/普賢象(桜)
Hugennzou-sakura
【フゲンゾウとは】
・オオシマザクラ系のサトザクラの一つであり、室町時代以前に人為的に作られたと考えられている。大きな八重の花を咲かせるサクラで、カンザン等と共に一般的に「ヤエザクラ」あるいは「ボタンザクラ」と俗称される。
・花の中央に象の鼻のような「変わり葉(雌しべが変化したもの)」がある。これを「普賢菩薩」が乗る白い象の鼻(または牙)になぞらえてフゲンゾウと名付けられた。(まわりの白い花弁も象の耳に見立てるという説ある。)「象の鼻」は個体差が大きくて色形には様々なバリエーションがあり、「象の鼻」がない花もある。
・フゲンゾウの開花は4月中旬~5月上旬でソメイヨシノよりも遅いため、雨天でソメイヨシノの花見が中止になったときに備えて植栽されるケースもある。花は20~50枚もの花弁が折り重なるゴージャスなもので直径は5センチ前後ある。
・花弁は内側が白く、外側がピンク色をしているため全体としては淡いピンク色に見える。開花が進むにつれて白くなり、満開時にはほぼ真っ白になるのが基本だが、始めから白い花しか咲かない「白普賢」という品種もある。
・開花と共に赤紫がかった茶色の若葉が展開する。葉は最終的に7~14センチほどの大きさになり、秋には紅葉する。
【フゲンゾウの育て方のポイント】
・ソメイヨシノよりも強健な性質を持つが寿命は同じように短い。病害虫に強いが日当たりと風通しが悪いと毛虫の被害に遭う。基本的には肥沃な平坦地を好む。
・寒さに比較的強く、東北地方以南なら植栽できる。
・いわゆる徒長枝やからみ枝が多く、樹形も整いにくいが、他のサクラ類と同様、剪定しすぎると樹勢が衰え、花数が減る。また、花を十分に楽しむには日向に植える必要がある。
【フゲンゾウに似ている木】
・カンザン
フゲンゾウと並ぶ代表的な八重桜
・イチヨウ
フゲンゾウと同じように葉化した雌しべがある。
・ニソンインフゲンゾウ
菊咲きの品種
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フゲンゾウの基本データ
【分類】バラ科 サクラ属
落葉広葉 小高木
【漢字】普賢象(ふげんぞう)
【別名】フゲンドウ(普賢堂)
普賢白/フゲンゾウザクラ
【学名】Cerasus lannesiana
'Albo-rosea' Makino
【英名】Hugennzou-sakura
【成長】やや早い
【移植】難しい
【高さ】5m~8m
【用途】花木/公園
【値段】1、500円~