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ヒュウガミズキ/ひゅうがみずき/日向水木
Buttercup winter hazel
【ヒュウガミズキとは】
・近畿北部及び北陸の日本海岸沿いを原産とするマンサク科の落葉低木。自生は少ないが、可憐で美しい花や秋の黄葉に観賞価値があるため庭園等に栽培品が植栽される。
・原産地が日向の国(宮崎県)だとして名付けられたが、実際の原産地は上記のとおりであり、命名は誤解に基づく。植物学者の牧野氏は小さなトサミズキを意味する「ヒメミズキ」がヒュウガミズキに転訛したとする。
・開花は他に先駆けた3~4月。直径1センチ弱の小さな黄色い花が1~3輪ぶらさがり、長さ2センチほどの花穂を形作る。雄しべは花弁より少し短い。花は控えめであり、雑木の庭や和風庭園にも使われる。
・花の後にはトサミズキを小さくしたような果実ができ、10月頃に黒く熟すと二つに裂け、中から卵形の種子が2粒現れる。種を蒔くと芽が出やすく、繁殖は難しくない。
・新葉が展開するのは花が咲いた後。葉は直径3~5センチの小さな卵形で、葉脈と呼ばれるスジが目立つ。
・樹皮は灰色で中心となる幹はなく、株立ち状に育つ。細かな枝がジグザグに伸びてよく分岐するため、たくさんの花を楽しむことができる。
【ヒュウガミズキの育て方のポイント】
・本来は自然な樹形を楽しむべき樹種だが、刈り込みに強いため樹形を整えることもできる。成長が早いため、大株になりやすいが、高さを抑えて他の樹木の下に植えるのが普通。
・日向であれば土質を選ばない。しかし、日陰では花つきが悪い。
・山地の岩場など環境の厳しい場所にも自生し、乾燥や寒さに強いため、北海道でも南部であれば植栽できる。病害虫や潮風にも強い。
【ヒュウガミズキに似ている木、見分け方】
・トサミズキによく似るが、ヒュウガミズキは枝、葉、花のすべてがより小さい。また、トサミズキは花の萼や果実などが細かな毛で覆われるが、ヒュウガミズキには毛がない。
・ヒュウガミズキ同様、花の萼や果実などに毛がないものに、キリシマミズキとコウヤミズキがあるが、これらはヒュウガミズキよりも花数が多く、背丈や葉も大きい。
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ヒュウガミズキの基本データ
落葉広葉 低木
【漢字】日向水木(ひゅうがみずき)
【別名】ヒメミズキ/イヨミズキ
【学名】Corylopsis pauciflora
【英名】Buttercup winter hazel
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1m~3m
【用途】花木/公園/垣根
切り花/盆栽
【値段】500円~