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スモモ/すもも/李
Japanese plum
【スモモとは】
・中国及び朝鮮半島を原産とするバラ科の落葉樹。古事記や万葉集の時代から薬用樹として親しまれており、奈良時代に渡来したとされる。花を観賞し、果実を利用するため庭園、公園及び果樹園に植栽される。
・スモモには多数の品種があるが、東アジア産のニホンスモモと西アジア産のセイヨウスモモに大別され、後者はさらに欧州スモモとアメリカスモモに分類される。現在普及しているスモモは在来種ではなく、アメリカ等で品種改良され、逆輸入されたもの。なお、一般的にはセイヨウスモモの果実をプラムあるいはプルーンと呼んでいる。
・スモモの開花は4~5月。葉に先立って白い花を咲かせる。花の直径は1.5~2センチ。花弁は5枚あって先端が丸く、ウメやアンズの花に似るが、より多くの花が一箇所にまとまって咲き、長い柄があるのを特徴としている。
・果実が熟すのは6~9月で品種によって異なる。古い時代には早生のスモモをサモモと呼んだ。果実は直径5センチほどで黄色~紅紫色に熟すと表面に粉を吹く。果肉は風味に富み、生で食べることができるが、ジャム、ジュース、果実酒などにも加工される。
・葉は長さ5~14センチ、幅3~5センチの長楕円形でヤナギに似る。枝から互い違いに生じ、秋になると紅葉する。
・スモモという名の由来には、モモに似た酸っぱい果実(酸桃)によるという説、モモと違って果実の表面に毛がないため「素桃」と名付けられたという説がある。別名のハタンキョウは「牡丹杏」が転訛したものだが、現在は大きな果実のなる特定の品種を示すことが多い。
【スモモの育て方のポイント】
・日向を好む典型的な「陽樹」であり、日陰では花や実ができにくい。しかし、その一方で乾燥に弱いため、根元の保護や夏場の灌水など手間が必要となる。
・果実は短い枝にできるため、定期的な剪定によって短い枝を発生させる必要がある。枝は横に長く伸びやすく、画像のような放任気味の樹形では収穫量が乏しい。剪定の適期は12月~2月の落葉期。
・スモモは自家受粉せず、花粉を媒介するはずの昆虫が少ない時期に開花する。このため、確実に実をつけるには近くに別の品種のスモモを植えるか、人工授粉させる必要がある。
・品種にもよるが、モモコフキアブラムシ、コガネムシ、黒斑病、フクロミ病(果実の外側が白くなる)など病害虫の被害に遭いやすく、家庭で手軽に収穫というわけにはいきにくい。セイヨウスモモであれば多少育てやすい。
【スモモの品種】
・サンタローザ、ソルダム、太陽、ビューティー、レートソルダム、メスレー、大石早生、大石中生、バーモサ、キング、ホワイトプラムなど多数
【スモモに似ている木】
・アンズ
・モモ
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スモモの基本データ
【分類】バラ科/スモモ属
落葉広葉/小高木
【漢字】李/酸桃/酢桃/洲桃
【別名】ニホンスモモ/ハタンキョウ
プラム/プルーン
【学名】Prunus salicina
【英名】Japanese plum
【成長】早い
【移植】困難(好まない)
【高さ】5~8m
【用途】花木/果樹/台木
【値段】800円~