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シロモジ/しろもじ/白文字
Shiromoji tree
【シロモジとは】
・本州中南部~九州の山地に自生するクスノキ科の落葉低木。幹に黒い文字のように見える斑点のあるクロモジに対し、本種では白い斑点が見られるため、シロモジと名付けられた。群生する傾向があり、山間を占拠しているケースもある。
・浅く三つに裂ける葉の形が特徴的で、黄葉も美しいことから、茶庭や雑木の庭に使われる。葉は枝から互い違いに生じ、3本ある葉脈が目立つ。
・同属のダンコウバイ(シロヂシャ)に比べると枝葉に赤みがあるため、別名をアカヂシャという。
・シロモジの開花は4月頃で、葉の展開に先立って黄色い小花が群生する。雌雄異株で雄株には雄花が、雌株には雌花が咲くが、雄花の方が一般に花数が多くなる。
・クロモジの枝は香りが高く、高級な和菓子の爪楊枝に使われるが、シロモジの枝は香りが弱いため、そうした使用例はほとんどない。樹皮は灰褐色で皮目と呼ばれるシワが見られる。
・花の後できる果実は脂分が多く、かつては燈油などに使用された。果実が熟すのは晩秋で、自然に裂けて種子が顔を出す。
【シロモジの育て方のポイント】
・日当たりを好み、土質は選ばない。
・自然樹形を楽しむ木であり、野趣を損なわないためにも手入れは最低限度にとどめる。刈り込みや強い剪定は観賞価値を損なう。株立ち状に育つのが基本であり、不要な枝は株元で切除すると美観を損ねない。
【シロモジに似ている木】
・クロモジ
似たような雰囲気を持つが、幹にできる斑点(皮目という)がシロモジでは白く、クロモジでは黒くなるというのが一般的な説明。ただし、個体差があって分かりづらい。そもそもクロモジの葉はシロモジのように裂けず、シロモジは花と同時に若葉が発生するが、クロモジは花の後に若葉が出るなど大きな違いがある。
同じような葉を持ち、クロモジよりも似るが、シロモジの葉の方が切れ込みが深く、切れ込みの先端が丸くなっている。また、ダンコウバイの実は黒く熟すが、シロモジの実は熟してもクリーム色で終わる。
同じ時期に黄色い花を咲かせるクスノキ科の落葉樹。
シロモジの基本データ
落葉広葉/低木
【漢字】白文字(しろもじ)
【別名】アカヂシャ
【学名】Lindera triloba
【英名】Shiromoji tree
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】2~5m
【用途】公園/雑木の庭
【値段】1000円~