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シモツケ/しもつけ/下野
Japanese spirea
【シモツケとは】
・本州、四国及び九州に分布するバラ科の落葉低木。日当たりのよい山地の草原や岩場に自生するが、他に花の少ない夏季に長く咲き続けるため、観賞目的で庭木として栽培されることも多い。
・日本以外の東アジアにも見られ、中国名は「繍線菊」。これを音読みして別名をシュクセンギクという。「繍線(しゅくせん)」は俘囚(ふしゅう)になった父親を捜した、中国の少女の名にちなむ。
・下野(しもつけ)の国(現在の栃木県)に自生が多かった、あるいは最初に同地で発見されたことから、シモツケと命名されたとされる。ただし、これには疑義もあり、花穂に霜が降りたように見えるため「霜付け」になったという説もある。
・シモツケの開花は5~8月。直径3~6ミリほどの小花100個以上が、小枝の先でブーケ状に集まって咲く。花色は淡い紅色、薄紫、白など。花弁は5枚で雌しべは5個。多数ある雄しべは花弁より遥かに長く、花には微香がある。
・花の後には袋状の乾いた果実ができ、9~10月に熟すと自然に裂ける。直径2~3ミリで表面は無毛で光沢があり、普通、5個単位で生じる。シモツケは結実しやすいが、繁殖は通常、挿し木や株分けによる。
・葉は先端の尖った長楕円形で長さ1~8センチ、幅1~4センチほど。縁には不揃いの鋭いギザギザがあり、葉の表面は緑色で裏面は淡い緑白色になる。
・茎は根から群生し、樹形は株立ちとなる。枝は濃い褐色で普通は無毛だが、時折細かな毛がある。背丈が大きくならず主だった幹もないため「草」に見えるが、冬季でも地上部が枯れないため「木」の仲間。庭園では他の中高木の根元に植える「根締め」としての利用が多い。
・同じバラ科のシモツケソウと区別するため、本種をキシモツケ(木下野)、シモツケソウをクサシモツケ(草下野)と呼んで区別することがある。
【シモツケの育て方のポイント】
・茶花に使われるなど和風庭園では定番だが、シモツケの花には洋風の雰囲気があり、和洋問わず様々な形式の庭に使うことができる。
・日向の乾燥地を好むが半日陰でも育つ。まったくの日陰では生育が悪く、花が咲きにくい。
・自生は蛇紋岩や石灰岩地帯の櫟地が多く、土質を選ばずに育つ。
・成長は早いが樹高は1m以下にとどまり、樹形も自然に丸くなるため剪定の手間はあまりかからない。刈り込みにも耐えるが、花は新枝の先端に咲くため、春以降に剪定すると花が咲かない。
・稀にウドン粉病の被害に遭うこともあるが、基本的には病害虫に強く、潮風や乾燥にも耐える。
・冬季に落葉するのが普通だが、生育環境によっては葉を落とさないことがある。
【シモツケに似ている植物】
・コデマリ
【シモツケの品種】
シロバナシモツケ(会津シモツケ)、コシモツケ、ゴールドフレーム、ホワイトゴールドなど、園芸品種や変種がきわめて多い。
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シモツケの基本データ
【分類】バラ科/シモツケ属
落葉広葉/低木
【漢字】下野/下毛/繍線菊
【別名】キシモツケ/キシモッケ
シュクセンギク
【学名】Spiraea japonica
【英名】Japanese spirea
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】0.2m~1.5m
【用途】庭木/公園/鉢植え/盆栽
グランドカバー/切花
【値段】500円~