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チャンチンモドキ/ちゃんちんもどき
Lapsi fruit tree
【チャンチンモドキとは】
・インド北部、タイ及び中国南部などの暖地を原産とするウルシ科の落葉高木。日本では九州(熊本と鹿児島)において稀に自生が見られる程度であり、絶滅が危惧される。
・葉の形がセンダン科のチャンチンに似るが、まったくの別種であるためチャンチンモドキと名付けられた。チャンチンとは花の色、開花時期、新葉の色、実の形状などが明確に異なる。また、チャンチンは木全体に香りがあるが本種の葉や花には香りはない。
・葉は長さ6~9センチほどの小葉が3~6対集まり、大きな羽根状になって枝から互い違いに生じる。小葉の縁は波打ち、若い木では大きなギザギザがある。
・元祖のチャンチンは新葉が黄色やピンクに色づくが、チャンチンモドキはそんなふうにはならない。ウルシの仲間だが葉に触ってもかぶれることはなく、葉のエキスは化粧水(ローション)の原料として使われている。
・雌雄異株で5月頃に小さな薔薇のような紫褐色の花が咲く。雄株に咲く雄花は円錐状にたくさん集まって下向きに咲き、雌株に咲く雌花は単独で咲く。直径は5ミリほどで木の高いところに咲くため目立たないが、開花期には木の下が赤褐色になるため開花に気づく。ちなみにチャンチンの花は白色で6月ころに咲く。
・花の後にできる果実は2~2.5センチの楕円形。中には直径1.5センチほどの核があり、その表面には五つの窪み(発芽孔)がある。10~11月ごろになるとセンダンと同じような渋い黄色に熟して落下。ヒマラヤ地域ではこれを漬物やキャンディーにして食用したり、核を「五龍眼菩提樹」として数珠の材料にする。
・別名をカナメノキというが、カナメモチとは関係がない。
【チャンチンモドキの育て方のポイント】
・日向であれば土質を選ばずに育つ。幹のみならず側枝も太く、直上する傾向があり、成木では壮大な樹形となる。このため自然樹形を鑑賞するには、相当広いスペースに植える必要がある。
・暖地の生まれではあるが、関東以西であれば育てられる。
チャンチンモドキの基本データ
【分類】ウルシ科/チャンチンモドキ属
落葉広葉/高木
【漢字】香椿擬(ちゃんちんもどき)
【別名】カナメノキ/ラプシー/ロプシー
【学名】Choerospondias axillaris
【英名】Lapsi fruit tree
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】10m~25m
【用途】公園/街路樹
【値段】─