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サラサドウダン/さらさどうだん/更紗灯台
Sarasadoudann-tsutsuji tree
【サラサドウダンとは】
・北海道、近畿以東の本州及び四国に分布する落葉性のツツジ。深山の林縁に自生するが、5~7月に咲く花や秋の黄葉が美しく、庭木としても使われる。
・サラサドウダンという名は、花の模様を「更紗染め」に、葉柄や花柄の分岐の仕方を「灯台」に見立てたもの。「更紗染め」とはインド発祥の多色染めのことで、日本でも室町時代以降に伝わったものが衣類などに使われた。「灯台」は港にあるものではなく、室内用照明器具である結灯台(むすびとうだいのこと。
・花は先端が五つに裂けた釣鐘状。形はドウダンツツジに似るが、長さは1センチほどでより大きく、白地にピンクの縦筋模様(更紗模様)が入る。花の模様や色の濃淡には個体差があり興味深いが、やや不快な香りがある。
・花柄は長さ2~3センチで、花の垂れ下がる様子を風鈴になぞらえたフウリンツツジという別名がある。花が終わると柱頭(めしべ)は上向きになり、乾いた果実ができる。
・葉は長楕円形で縁には細かなギザギザがある。枝から互い違いに生じるが、枝先では束になって生じる。
【サラサドウダンの育て方のポイント】
・本来は深山の高原や岩場に見られる樹木であり、多少デリケートな性質を持つ。環境の悪い都会に植えた場合、あまり健全に育たない。
・成長が遅いため、剪定には手がかからない。自然樹形は半球状であり、これに準じて刈り込むが、他のツツジ類に比べて葉が大きく、刈り込みの跡が目立つため、できれば刈り込みバサミではなく、木バサミを使い、枝元で切除したい。
【サラサドウダンの品種】
・シロバナフウリンツツジ
花がほぼ白い品種。稀に自生が見られる。
・ベニサラサドウダン
東北地方南部~中部地方北部の高地に分布する日本の固有種。花は濃い紅色で、サラサドウダンに比べるとやや小さく、不明瞭だが濃い紅色の筋が入る。別名はベニフウリンツツジ。
・ツクシドウダン
大分、宮崎、鹿児島に分布する変種。花はサラサドウダンやベニサラサドウダンに似るがより小さい。花先の切れ込みが深く、濃い紅色の縦筋模様が入るのが特徴。
・カイナンサラサドウダン
静岡、愛知、三重、和歌山及び四国の太平洋側に分布する変種で、花数が多く、花房がより長くなる。
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サラサドウダンの基本データ
【分類】ツツジ科/ドウダンツツジ属
落葉広葉/低木
【漢字】更紗灯台/更紗満天星
【別名】フウリンツツジ(風鈴躑躅)
【学名】Enkianthus campanulatus
【英名】Sarasadoudann-tsutsuji
【成長】遅い
【移植】普通
【高さ】2~5m
【用途】花木
【値段】800円~