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オウトウ/おうとう/桜桃
Outou cherry tree
【オウトウとは】
・「オウトウ」は中国等の東アジアを原産地とするシナミザクラ、ヨーロッパ等を原産地とするセイヨウミザクラなど、食用になる実がなるサクラの総称。セイヨウミザクラは果実の糖度によってさらに甘果オウトウ、酸果オウトウに分類される。
・ソメイヨシノやオオシマザクラなどと同じサクラの仲間だが、これらの実は小さく、かつ酸味が強いため食用にならない。オウトウ=~ミザクラは「実サクラ」であり、一般にいうサクランボはオウトウの実の愛称。
・日本で流通するサクランボは明治初年に渡来したセイヨウミザクラ系統の品種(ナポレオン、佐藤錦、高砂など)が多いが、庭木としてはシナミザクラ系統の品種(暖地桜桃など)も見られる。
・オウトウの開花は葉の展開に先立つ4~5月。花は直径3センチほどで、花弁は5枚。雄しべは観賞用のサクラよりも長くなるのが特徴。
・果実(サクランボ)が目立ち始めるのは6月頃で、2か月ほどで熟す。口に含むと果皮が裂け、甘酸っぱい味がある。オウトウの主要な生産地は山形県で、同県寒河江市が全国一の収穫量を誇る。
・「走れメロス」や「人間失格」などで知られる太宰治の命日(6月19日)は、彼の好物であったサクランボにちなんで桜桃忌と呼ばれる。
【オウトウの育て方のポイント】
・日向を好み、日陰では生育、花つきが悪い。
・栽培の適地は冷涼かつ比較的乾燥した地。いわゆる「足が速い」果物であり、梅雨の雨に打たれると実が割れる。日本で流通するサクランボの多くが山形産であるのは、かの地では梅雨時の降水量が少ないため。
・収穫を目的とする場合、異品種の受粉樹を植える必要がある。
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オウトウの基本データ
【分類】バラ科/サクラ属
落葉広葉 高木
【漢字】桜桃(おうとう)
【別名】サクランボ
セイヨウミザクラ
シナミザクラ
【学名】Prunus avium
【英名】Outou cherry tree
Sweet cherry tree
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】10~15m
【用途】花木/果樹
【値段】500円~