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レンギョウ/れんぎょう/連翹
Forsythia
【レンギョウとは】
・日本及び中国を原産とするモクセイ科の落葉低木。丈夫な性質を持ち、日本全国の公園や道路の植え込み、寄せ植えの花木として広く使われる。レンギョウが日本へ渡来したのは平安時代初期あるいは江戸時代(1681~1683)で、当初は薬用植物として扱われた。
・英語ではゴールデンベルと呼ばれ、その名のとおり春になると枝一面に鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせる。狂い咲きも多く、真冬以外はチラホラと花を咲かせる。
・レンギョウの開花は3~4月で新葉の展開前。前年に伸びた枝葉の脇に咲く花は直径2~3センチ。合弁花と呼ばれるタイプの花で、四枚の花びらがあるように見えるが、根元は筒状になって合体し、内側はオレンジ色を帯びる。
・雌雄異株で雌しべ(花柱)と雄しべの長さはほぼ同じ。チョウセンレンギョウやシナレンギョウに比べると花弁(裂片)の幅は広く、1センチほどになる。キンモクセイやジャスミンと同じモクセイ科だが、レンギョウの花には香りがない。
・花の後にできる果実は長さ1~2センチの卵型で先端が尖る。硬い殻に覆われるが秋には褐色に熟して二つに裂け、長さ7ミリほどの種子を拡散させる。煎じたレンギョウの果実は漢方薬の「連翹」となり、服用すれば利尿、解毒、腫物の消炎、血圧降下等に効果があるとされる。
・葉は長さ4~8センチ、幅3~5センチの小さな卵形で、先端付近にのみ縁にギザギザがある。通常は枝から対になって生じるが、若い枝では3枚一組に生じるのが、シナレンギョウやチョウセンレンギョウとの違い。
・株立ち状に育つ枝は淡い黄褐色で、若い枝にはトゲのような「稜」が不規則に生じる。枝は弓なりに伸び、地面に接した箇所から新たな根を下ろす性質を持つ。枝の中が空っぽであるためレンギョウウツギ(空木)という別名がある。
・レンギョウは中国名「連翹」の音読みだが、本来の「連翹」はトモエソウあるいオトギリソウはこと。
【レンギョウの育て方のポイント】
・病害虫、大気汚染に強い。耐寒性も高い。
・日向を好む。
・土質を選ばない。
・剪定に強い。切った枝を地面に挿すと簡単に増やせる。
・成長が早く、放置すると樹形が乱れやすい。
・垣根に用いた場合、冬場は目隠しにならない。
【レンギョウの品種、見分け方】
日本に自生する品種で、岡山県にある石灰岩質の山地に見られる。
・シナレンギョウ
レンギョウより樹高が低く、枝が立ち上がり気味に育つ。また、花の時期はレンギョウよりやや遅い。1681~83年(天和年間初期)に日本へ渡来した。花は緑がかった黄色で、若い枝も緑色。その断面は四角で、他にない髄がある。花柱は雄しべよりも長く、花の裂片はレンギョウより細い。
・チョウセンレンギョウ
シナレンギョウと似た性質を持つが、葉はギザギザが少なく細長い。花は他に比べるとオレンジっぽい色をしており、雄しべは花柱よりも長い。
・ショウドシマレンギョウ
ヤマトレンギョウの変種で、小豆島のみに分布する。葉と同時に咲く花は他のレンギョウほど鮮やかな黄色にはならないが、崖から枝垂れるように伸びる姿に風情がある。
・アイノコレンギョウ
ヤマトレンギョウとシナレンギョウを交配させて作られた園芸品種で、より大きな花が咲く。
レンギョウの基本データ
【分類】モクセイ科/レンギョウ属
落葉広葉/低木
【漢字】連翹(れんぎょう)
【別名】タニワタシ
イタチグサ/イタチハゼ
レンギョウウツギ
【学名】Forsythia suspensa
【英名】Forsythia
【成長】とても早い
【移植】簡単
【高さ】1~3m
【用途】花木/公園/垣根
盆栽/切花
【値段】500円~