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ヤマウルシ/やまうるし/山漆
Wild lacquer tree
【ヤマウルシとは】
・沖縄を除く日本全国に自生するウルシ科の落葉小高木。中国などを原産とするウルシとは別の木であるが、ウルシに似た枝葉を持ち、山地や丘陵に生じることからヤマウルシと命名された。日本以外では中国や朝鮮半島に自生が見られる。
・ウルシと違い、漆塗りに使われることはないが、ウルシと同様、木全体にウルシオールという成分が含まれ、枝葉に触れるとかぶれるため、庭木として使われる例は少ない。
・葉は長さ2~12センチの小葉が4~10対集まって羽根状になり、全体では長さ25~50センチほどになるが、小葉はウルシよりも小さい。葉の先端は尖り、若葉の縁には粗いギザギザがある。葉全体に短毛があるが、特に裏面の葉脈上に多い。ウルシと違って葉の軸は赤みを帯び、冬芽には茶色い軟毛が生じる。
・ウルシの葉は秋になると黄色くなるが、ヤマウルシは赤やオレンジに染まる。日本の樹木で最も早く色づき、早いものでは8月下旬から紅葉するためよく目立つ。古い時代には黄褐色の染料として重用された。
・ヤマウルシの開花は5~7月で、葉の脇から垂れ下がる15~30センチの花序に、黄緑色の小さな花が多数、房状に咲く。雌雄異株で、雄の木に咲く雄花では雄しべが花冠の外へ突き出し、雌の木に咲く雌花の柱頭(雌しべ)は三つに裂けて子房から突き出る。
・雌花の後にはハゼノキやウルシと同じように楕円形の黄色い実ができ、9~10月に熟す。直径は5~6ミリほどでウルシよりも小さく、表面に硬くて短い毛が密生する点でハゼノキと異なる。
・ヤマウルシの樹皮は灰褐色で、樹齢を重ねると縦に裂け目ができる。樹高は最大で8mほどで、幹はウルシに比べるとはるかに細く、ウルシのように樹液を採取して塗料(漆)に使うことはない。
【ヤマウルシの育て方のポイント】
・そばを通っただけ、あるいは材を燃やした煙を浴びただけで肌がかぶれることがあるため、人が集まる場所に植えるような木ではないが、紅葉が早く、綺麗であるため、自生のものを借景として使うことはあり得る。
【ウルシとヤマウルシの違い】
①ヤマウルシの葉はウルシよりも小さい。
②ヤマウルシの葉には毛が密生するが、ウルシはツルツル。
③ウルシの葉柄は緑~褐色だが、ヤマウルシは赤みを帯びる。
【ヤマウルシに似た木】
・ウルシ
・ハゼノキ
・ヤマハゼ
・ヌルデ など
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ヤマウルシの基本データ
【分類】ウルシ科/ウルシ属
落葉広葉/低木
【漢字】山漆(やまうるし)
【別名】シツゲンヤマウルシ
ハジ/ハジノキ
ウルシ
【学名】Toxicodendron
trichocarpum
【英名】Wild lacquer tree
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】2~8m
【用途】染料/雑木の庭
【値段】3,000円~