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ヤブムラサキ/やぶむらさき/藪紫
Yabu murasaki(Beauty‐berry)
【ヤブムラサキとは】
・宮城県以西の本州、四国及び九州の山地で普通に見られる落葉低木。庭園に好んで使われるムラサキシキブに似るが、葉や花に細かな毛が多いのが特徴。日本以外でも朝鮮半島に分布する。
・藪の中に生じるムラサキシキブという意味合いで命名された(毛に覆われたボンヤリとした姿から名付けられたという説もある。)。
・葉はムラサキシキブよりも大型で、長さは6~12センチほどで、枝から対になって生じる。葉の両面に多数の毛が密生し、遠目には白っぽく見えることが多い。触れるとビロードや洋紙のようにザラつく。こうした特徴からムラサキシキブと区別できるが、両者の中間種もある。
・花期は6~7月で、画像のような淡い紫色の小花を数個単位で咲かせる。花の付け根(花序)にも毛が密生する。
・花の後にできる果実は直径4~5ミリほどの球形で、9~11月頃になると紫色あるいは白色に熟す。実の付け根(萼)にも毛がある。パサパサした実の中には種が4粒含まれる。花や実はムラサキシキブよりも少ない傾向がある。
【ヤブムラサキの育て方のポイント】
・温帯から暖帯に育つ木であり、寒さの厳しい地方では育てられない。
・ムラサキシキブほどの派手さがないため、庭木として使われることは少ない。しかし、控えめな美しさに野趣を求めて、雑木の庭に使用される。
・湿気のある肥沃な土地を好むが、性質は丈夫であり、栽培品であれば土質を選ばずに育つ。
・半日陰でも育つが、花や実をより多く楽しむには日照が必要。
【ヤブムラサキの品種】
・オキナワヤブムラサキ
沖縄島北部でわずかに点在する品種で葉先が尖らず、葉の縁に細かなギザギザがある。紛らわしいがヤブムラサキの品種ではなく、オオシマムラサキの変種。
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ヤブムラサキの基本データ
【分類】クマツヅラ科/ムラサキシキブ属
落葉広葉/低木
【漢字】藪紫(やぶむらさき)
【別名】─
【学名】Callicarpa mollis
Sieb. et Zucc.
【英名】Yabu murasaki
Beauty‐berry
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】2m~5m
【用途】雑木の庭/花材
【値段】900円~