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メギ/めぎ/目木
Japanese barberry
【メギとは】
・東北地方南部以西の本州、四国及び九州に分布するメギ科の落葉低木。原種は山地や丘陵の疎林に自生し、稀に庭木に使われるが、園芸用に親しまれるメギの多くはヨーロッパ等で品種改良されたもので、葉色の美しいカラーリーフ種が目立つ。
・メギの開花は3~5月。新葉が出る頃、短枝の先に淡い黄色の花を2~4輪ずつ下向きに咲かせる。花は直径6ミリほどで花弁と萼が6枚ずつあるが、萼の方が花弁より大きい。6本ある雄しべは手で触れると中心方向へ動き、雌しべを保護する特異な運動を行う。花の後には楕円形の果実ができ、9~11月になると艶のある赤色に熟す。
・葉は長さ1~4センチの楕円形で先端は丸みを帯びる。縁にギザギザはなく、裏面は白っぽい。枝から互い違いに生じるが、短い枝の先端では4~5枚が輪生状に集まる。葉の付け根や枝の節々には葉が退化した鋭い棘があるため、別名を「小鳥止まらず」「鳥止まらず」「鎧通し」などという。庭木としてはやや扱いにくいが、防犯用として垣根に使う場合もある。
・メギは株全体にアルカロイドを含み、枝葉や根を折って水に浸して作る煎液には抗菌作用がある。メグスリノキと同様に目薬とし、結膜炎などの充血や炎症を防ぐのに使ったためメギ(目木)と名付けられた。煎液は黄色くて苦味があり、整腸薬としても使われた。生薬名は「小蘗(しょうばく)」
【メギの育て方のポイント】
・根元から株立ち状に枝が密生し、こんもりとなるのが自然樹形。成長はやや遅いものの芽を出す力が強く、剪定によく耐える。ただし、棘があるため扱う際には皮あるいはゴム製の手袋が必要。
・繁殖は実生または株分けによるが、実生の場合、成長はかなり遅い。
【メギの品種】
・日本に自生するメギは日本の固有種だが、欧米にも近縁種があり、「バーバーリー」などと称して庭園用に広く普及する。中でも「ローズグロー」、「オーレア」、「ゴールデンリング」など、葉の色が美しい観葉種に人気がある。
【メギに似た木】
・ヘビノボラズ
中部地方南西部、近畿地方及び宮崎県に分布するメギ科の落葉低木。葉の基部に鋭いトゲがあり、蛇も登ることができないとして命名された。葉は長楕円形で、幅は1~2センチ。別名はコガネエンジュで、黄色い花が咲き、秋にはメギと同じような果実が赤く熟す。山地の湿地を好むが、開発による環境の変化で自生の個体数は激減している。
・ヒロハヘビノボラズ
ヘビノボラズの仲間で、北海道~九州の山地に自生する。葉は楕円形で幅は2~3センチ。
・オオバメギ(オオメギ)
四国や九州などの暖地に分布し、メギよりも大きな葉を生じる。
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メギの基本データ
【分類】メギ科/メギ属
落葉広葉/低木
【漢字】目木(めぎ)
【別名】コトリトマラズ
トリトマラズ
ヨロイドオシ
【学名】Berberis thunbergii
【英名】Japanese barberry
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】公園/垣根
【値段】800円~