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マロニエ/まろにえ
Horse-chestnut
【マロニエとは】
・トチノキ科の落葉高木。ヨーロッパ各地に名木や並木が多く、パリのシャンゼリゼにある街路樹はあまりにも有名だが、それらは16世紀以降、人為的に植栽されたものであり、原産地はギリシャ北部(旧マケドニア)及びブルガリア付近。
・世界四大街路樹(他にプラタナス、ニレ、ボダイジュ)の一つとされ、アメリカでも街路樹として使われるる。日本でも公園や植物園等で稀に見られるが、イメージのよさにあやかって日本に自生するトチノキをマロニエと偽称しているケースもある。
・葉は5~7枚の小葉が集まって大きな手のひら状になり、中央の葉が最も大きい。トチノキよりも小さいが、縁のギザギザはより粗くて大きい。見た目ではトチノキとの区別が難しいが、葉柄の切断面はトチノキと明らかに異なる。また、トチノキの冬芽はネバネバしているが、マロニエの冬芽は乾いている。
・花期は5~6月で、赤い模様の入った白い4弁花がピラミッド状に集まって上向きに咲く。花序の長さは18~30センチほどだが、一輪一輪はトチノキよりも大きい。花は両性花と雄花が入り混じっており、7本の雄しべが花弁の外へ飛び出すため、間近で見ると混沌としている。イギリスでは満開の頃の日曜日を「チェストナットサンデー」と呼んでセイヨウサンザシやライラックと合わせて花見を楽しむが、近年では花粉症の元凶と目されることも。
・果実は直径4~5センチほどの球形。トチノキと異なり、殻全体に柔らかな刺がある。マロニエはフランス語で栗のことで、実は熟すと三つに割れ、中から栗のような種子が出てくる。栗よりも大きいことからウマグリという別名がある。
・トチノキと同様、実には毒性がある。日本ではトチノキの実を丁寧に処理して食用にするが、ヨーロッパにはそうした風習がなく、食用しない。せいぜい子供がぶつけ合って殻を割り合う遊び道具になるに過ぎない。
【マロニエの育て方のポイント】
・冷涼な広い場所であれば伸び伸びと育つ。
・葉が大きいことや大木になることから、一般家庭には向かない。また、暑さや乾燥に弱く、暖地では葉焼けを起こしやすい。
【マロニエの品種】
本種とアカバナトチノキの雑種。パリを筆頭に世界各地で街路樹として使われる。
マロニエの基本データ
【分類】トチノキ科 トチノキ属
落葉広葉 高木
【漢字】─(まろにえ)
【別名】セイヨウトチノキ
ウマグリ(馬栗)
ヨウシュトチノキ(洋種栃木)
ヨーロッパトチノキ
【学名】Aesculus hippocastanum
【英名】Horse-chestnut
【成長】早い(環境が合えば)
【移植】難しい
【高さ】18m~30m
【用途】街路樹/公園
【値段】1000円~