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マルバウツギ/まるばうつぎ/丸葉空木
Fuzzy deutzia
【マルバウツギとは】
・関東地方以西の本州、四国及び九州に分布するアジサイ科の落葉低木。葉が明らかに丸いわけではないが、ウツギに比べると丸みがあることにちなんでマルバウツギと命名された。日本の山野で最も普通に見られるウツギの一種であり、丈夫な性質を利用して垣根や防風林として使う例がある。
・マルバウツギの開花はウツギと同じ5~7月頃だが、ウツギよりもやや早く咲くことが多い。白い小花が円錐状に集まって上向きに咲くが、10本る雄しべの花糸は根元ほど太くなり、基部にオレンジ色の花盤がある。花弁は5枚で花の直径は1センチ前後。花が咲く枝の葉には葉柄がないという大きな特徴を持つ。
・花の後にはウツギと同じように椀型の果実ができ、10~11月に熟す。果実は直径3ミリほどで、中にはたくさんの種子が入っている。
・葉は長さ4~7センチの楕円形。縁には細かなギザギザがあり、枝から対になって生じる。葉の両面にはウツギの仲間に特有の星状毛(枝分かれした細毛)が密生し、この影響で葉の裏面は黄緑色に見え、触れるとザラザラする。なお、ウツギは秋に黄葉するが、本種は紅葉する。
・若い枝は紫がかった茶色で枝分かれが多く、枝葉は密生する。枝や果実にも星状毛が見られる。
・樹皮は灰色っぽい褐色で、株が古くなると縦に細かく剥がれ落ちる。幹は「空木」の名が示すとおり中空になっている。
【マルバウツギの育て方のポイント】
・乾燥した岩場など、かなり条件の悪い場所でも育つが、花や紅葉を楽しむには日当たりの良い場所に植える必要がある。
・ウツギ同様に枝分かれが多く、放任すると鬱蒼としやすい。家庭に植える場合は定期的な剪定が必要となる。
・垣根に使うのは剪定に強いためだが、落葉樹であり目隠しにはならない。
【マルバウツギに似ている木】
・ウツギ
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マルバウツギの基本データ
【分類】アジサイ科/ウツギ属
落葉広葉/低木
【漢字】丸葉空木(まるばうつぎ)
【別名】ツクシウツギ
【学名】Deutzia scabra
【英名】Fuzzy deutzia
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】公園/垣根/防風林
【値段】1000円~