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ニワザクラ/にわざくら/庭桜
Chinese bush cherry
【ニワザクラとは】
・中国北部及び中部を原産とするバラ科の落葉樹で、ニワウメの変種とされる。背丈が大きくならず、狭い庭でも育てることができるためニワザクラと呼ばれるが、ソメイヨシノなどのサクラよりも、ユスラウメやニワウメに近い雰囲気を持つ低木の一つ。
・中国では古くから「麦李」と呼ばれて観賞用に普及しており、室町時代よりも前に日本へ渡来したと考えられている。
・花は八重咲きになることが、一重咲きのニワウメとの違いとされるが、ニワザクラの母種にも一重咲きのヒトエノニワザクラがあり、分類や来歴はややこしい。
・開花は3月下旬~4月で、葉の展開よりもやや早いか、ほぼ同時に咲く。花色は白あるいは淡い紅色で花弁は5~50枚。直径は1.5~2.5センチほどでニワウメよりも大きく、花数も多いため生け花に使われる。花の後に果実がなるのは稀であるため観賞用にはニワザクラ、果樹用にはユスラウメやニワウメがふさわしい。
・葉は長さ5~9センチの細い楕円形で縁にはギザギザがある。両端は尖り、葉の基部はニワウメと異なり楔型になる。裏面の葉脈上には毛があるため白っぽく見える。
・ニワザクラに主だった幹はなく、細かな幹が株立ち状に生じ、樹高はニワウメよりも高いため、花のない時季は枝葉が繁茂したようになる。
【ニワザクラの育て方のポイント】
・基本的に丈夫な性質を持ち、日当たりと水はけの良い場所に植えれば、特に手を入れなくても簡単に育てられる。半日陰でも育つ。
・暑さ寒さに強く、日本全土に植栽できる。
・株立ち状の自然樹形を鑑賞するのが基本。芽を出す力は強く、剪定も不可能ではないが、剪定すると樹形が乱れやすい。
・繁殖は挿し木あるいは取り木によって行うのが一般的な方法だが、株分けも簡単にできる。
【ニワザクラに似ている木】
・ニワウメ
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ニワザクラの基本データ
【分類】バラ科 サクラ属
落葉広葉 低木
【漢字】庭桜(にわざくら)
【別名】ハネズ
【学名】Prunus glandulosa
【英名】Chinese bush cherry
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】花木/花材
【値段】800円~