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ナツツバキ/なつつばき/夏椿

Japanese stuartia

シャラノキ,ナツツバキ,なつつばき
幹の美しさから一年を通じて鑑賞価値がある
沙羅の新芽,画像,なつつばき
新芽の様子(3月下旬)
シャラノキ,葉っぱ,なつつばき
ナツツバキの葉の様子(初夏)
Japanese stuartia,tree
剪定せずにいれば高さ10mを超えて育つ(左がナツツバキ)
ナツツバキの蕾,画像
蕾はタマアジサイのように真ん丸で光り輝く
シャラ,開花時期,特徴
開花時期は6~7月 花以外はツバキに似ていない 
シャラノキの花,特徴,画像
花弁は薄く、形を崩しやすい 花言葉は「はかない美しさ」など
なつつばき,樹木
受粉後の花の様子(皇居 東御苑)
しゃらのき,特徴
花の裏側(萼)の様子
品種,種類
微妙にピンク色が入るピンクナツツバキもある
シャラノキの特徴
ナツツバキの実
シャラの果実,種子
熟した様子
沙羅の紅葉
秋になると紅葉または黄葉する
シャラノキ,紅葉
黄葉の様子
ナツツバキ,黄葉
こうした自然な風合いが魅力だが、都市部ではあまりキレイに紅葉しない
しゃらのき,植物
落葉期の様子
シャラとヒメシャラ
思わず触れたくなる質感であり、ほんのりと冷たい
シャラとヒメシャラ,なつつばき
樹皮は年月をかけて剥離していく
なつつばき,樹皮,ナツツバキ
ヒメシャラの幹とは明らかに異なる

 

【ナツツバキとは】

・福島及び新潟以西の本州、四国、九州に分布するツバキ科の落葉樹。その名のとおり、6月~7月にツバキに似た白い花を咲かせる。山地の林内に自生するが、新緑、紅葉、幹の様子が美しく、シンボルツリーとして玄関等に植栽されることが多い。日本以外では韓国に自生が見られる。

 

 

・葉は枝から互い違いに生じ、長さ10センチほど。3~5ミリの短い葉柄がある。表面の葉脈は凹み、裏面には長い絹毛がまばらに生じ、白っぽく見える。

 

 

・花はその年に伸びた枝葉の脇に咲き、直径は5~6センチほど。5枚ある花弁の先端は波打ち、まばらにギザギザしている。

 

 

・花の後には乾いた果実ができ、9~10月頃に熟すと自然と五つに裂け、中から種子がこぼれ落ちる。空になった実はその後も長い間、枝に残って越冬する。

 

 

・樹高は最大で20mほどに達する。大木になると幹の表面が薄く剥離し、サルスベリリョウブのような独特の縞模様ができる。

 

 

・ナツツバキが寺院に多いのは、ブッダがその木の下で入滅したとされ、平家物語の一節に登場する「沙羅双樹」(フタバガキ科)と混同されたため。分類上の関連はないが、熱帯性の沙羅双樹に代えて植栽される例は多く、本種を沙羅の木と呼ぶことも多い。

 

 

【ナツツバキの育て方のポイント】

・自然樹形を楽しむ木であり、剪定は最低限ですむ。ノコギリ等で剪定すると、格段に樹形が乱れる。(つまり剪定は難しい)

 

 

・本来は栄養豊富で湿気のある山地に自生するため、土があわないと育ちが悪い。

 

 

・根が浅く乾燥しやすい。夏の強い日差しや西日は苦手とし、乾燥すると葉焼けを起こすため、根元に下草を植えるなどの対策が必要になる。

 

 

・ツバキやサザンカ同様に、チャドクガの被害に遭うこともある。

 

 

【ナツツバキとヒメシャラの見分け方】

花の違い

 ナツツバキの花は直径5~6センチでツバキ大になるが、ヒメシャラの花は直径1.5~2センチと小さくてあまり目立たない。開花はヒメシャラの方が一か月ほど早い。

 

違い,見分け方
ナツツバキ(シャラ)
見分け方
ヒメシャラ

 

・幹(樹皮)の違い

 ヒメシャラはサルスベリという別名があるように幹が滑らかになるが、ナツツバキは樹皮が半端に剥がれ落ちて模様ができる。 

 

特徴
ナツツバキ(シャラ)
幹
ヒメシャラ

 

・葉の違い

 ナツツバキは葉の裏全体にまばらな毛を生じるが、ヒメシャラは葉脈の上にのみ毛を生じる。またナツツバキの葉は秋に黄葉することが多いが、ヒメシャラは紅葉する。

 

ナツツバキの基本データ

 

【分類】ツバキ科/ナツツバキ属

       落葉広葉/小高木~高木 

【漢字】夏椿(なつつばき)

【別名】シャラ/シャラノキ/サラノキ

【学名】Stewartia pseudocamellia

【英名】Japanese stuartia

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】8~15m

【用途】花木/シンボルツリー

    公園/茶花 

【値段】1000円~

 

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