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ドクウツギ/どくうつぎ/毒空木
Chinese coriaria
【ドクウツギとは】
・北海道~近畿地方に分布するドクウツギ科の落葉低木。日当たりのよい山野の林内、河川敷、そして道端にも自生する。全株に毒があり、枝がウツギ同様に中空となるためドクウツギと名付けられた。ウツギの仲間ではなく、ドクウツギ科として独立している。日本では本種のみが同科に属するが、ドクウツギは北半球に広く分布する。
・日本三大有毒植物(他にドクゼリ、トリカブト)の一つであり、果実、葉、茎に有毒成分を含む。夏にできる赤い果実はよく目立ち、見た目も綺麗だが、コリアミルチン、コリアチンなどの神経毒を含む。甘味があるというが、少しでも口にすれば延髄の中枢が刺激され、激しく嘔吐した末に全身が痙攣し、意識を失うばかりか死に至ることもある。
・ドクウツギの開花は4~5月。雌雄同株で前年に伸びた枝の葉の脇に、雌雄それぞれの小さな花を房状に咲かせる。葉の付け根付近に咲くのが雄花で大きな葯が目立ち、雌花の花柱(雌しべ)は紅くなる。
・花の後にできる果実は肥大した花弁に包まれており、五つに分かれる。果実は熟すにつれて赤から黒紫色になる。毒性があるのは中心部の種子であり、いわゆる果肉部分は甘味があってサルはこれを好んで食べる。
・ドクウツギの葉は10~15対の小葉が一まとまりになって羽根状になる。小葉は先端が尖った楕円形で、縦に走る3本の葉脈が目立つのが特徴。葉は枝から対になって生じる。
・主だった幹はなく細い枝が株立ち状に乱立するが、それぞれが数年で枯れ、次々に新たなものが株元から生じる。枝分かれは少なく、樹高は最大でも1.5mほど。
【ドクウツギの育て方のポイント】
・実や紅葉が美しく、思わず庭植えしてみたくなるが上記のとおり有毒植物である。別名を「一郎(市郎)兵衛殺し」といい、戦前は幼い子供が相次いで食中毒死したという忌まわしい過去がある。幼い子供やペットのいる家庭のみならず、庭に植えるような木ではない。
【ドクウツギに似ている木】
ドクウツギの基本データ
【分類】ドクウツギ科
ドクウツギ属
落葉広葉/低木
【漢字】毒空木(どくうつぎ)
【別名】イチロウベエゴロシ
イチロベゴロシ
ネズコロシ(鼠殺し)
【学名】Coriaria japonica
【英名】Chinese coriaria
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1m~3m
【用途】─
【値段】─