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タラノキ/たらのき/楤木
Japanese Angelica-tree
【タラノキとは】
・北海道~九州に分布するウコギ科の落葉低木。丈夫な性質を持ち、山地や丘陵の法面などで群生する。新芽「タラノメ」はいわゆる山菜として大人気であり、平安時代から食用される。その味わいは「山のバター」と賞され、天婦羅、胡麻和えなどにして食べられる。
・葉は長さ1mほどの羽根状で、枝から互い違いに生じるが、枝葉の数は少なく先端に集中する。幹に棘が多いことから庭木として積極的に使う例は少ないが、食用目的に植栽されることが多い。
・タラノキの開花は8~9月。幹の先端に伸びた花茎に長さ50センチもの花序ができ、黄緑色の小花を咲かせる。雌雄同株で上部には両性花が、下部には雄花がそれぞれ集まって咲く。小花は直径3ミリほど。両性花では先に雄しべが熟し、雄しべや花弁が落下した後に雌しべが熟す。
・花の後には直径3ミリほどの球形の果実ができ、9~10月になると黒紫色に熟す。果実には甘味と渋味が混在し食用にはならないが、メジロ、ムクドリ、ツグミなどの野鳥はこれを啄む。
・タラノ木の語源は、①ウドを意味する朝鮮語「ツチタラ」、②山菜の王を意味する「太郎の木」、③トゲがあることを意味する「トガリヤ」などがあり、それぞれ転訛してタラノキになったとする。
【タラノキの育て方のポイント】
・日向であれば土質を選ばず丈夫に育つが、水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすい。
・成長が早く、放置すれば大株になる。他の植木の生長を阻害しないためにも、「タラの芽」を摘んで成長を抑制したり、強めの剪定を行って枝分かれを促したりする必要がある。
・一般的なタラノキは棘があって扱いにくいが、棘が少ない、あるいはまったくない「メダラ(=ウラジロタラノキ、トゲナシタラ)」や「赤芽タラ」という変種もある。家庭での栽培にはこれらが適する。
【ウドとタラノキ】
・同じウコギ科で食用になるウドは時に「ウドの大木」などと言われるが、木ではなく多年草であり、茎の内部は空洞になっている。タラノキとウドは新芽や枝葉が多少似るため、地方によってはタラノキをウドモドキと呼ぶ。
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タラノキの基本データ
【分類】ウコギ科/タラノキ属
落葉広葉/低木~高木
【漢字】楤木(たらのき)
【別名】ウドモドキ/オニダラ
タランボ/ヘビノボラズ
トリトマラズ
【学名】Aralia elata
【英名】Japanese Angelica-tree
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】2~6m
【用途】食用
【値段】1500円~