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オオバイボタ/おおばいぼた/大葉水蝋
Ohba-ibota tree
【オオバイボタとは】
・本州、四国及び九州に自生する半落葉低木。初夏に咲く白い花は清楚で甘い香りがあるが、庭木として使われることは稀で、トベラやシャリンバイが育つような暖地の海岸沿いで藪を作る。日本以外では朝鮮半島に分布する。
・開花は6~7月で、その年に伸びた枝の先に、白い小花が集まって大きな「花序」を形作る。小花の直径は8ミリほどで、花の頂部は四つに裂ける。花は筒状の部分が花弁の2倍もあり、他のイボタノキと見分けるポイントになる。花にはネズミモチやイボタノキと同じような特有の香りがある。
・花の後には楕円形の実ができ、12月頃になると黒紫色に熟す。実の直径は4ミリほど。
・葉は楕円形あるいは乱れた卵形で枝から対になって生じる、長さ4~10センチ、幅2~5センチとなり、名前のとおりイボタノキよりも大きい。やや肉厚で表面には光沢があり、葉の一部は冬季も落葉せずに残るのが特徴。
・イボタという名前は、イボタノキや本種に寄生するイボタロウカイガラムシが樹皮上に分泌するイボタ蝋が、イボ取り、止血、艶出しに効果があるとされたことに由来する。
【オオバイボタの育て方のポイント】
・土質を選ばず、痩せ地でも育つ。
・半日陰でも耐えるが、日照不足の場合、葉がまばらになる。
・基本的には丈夫で病害虫に強いものの、時折ハマキムシの被害が見られる。
・剪定にはかなり耐えるが、花はその年に伸びた枝先に咲く。このため開花前の春季に剪定すると花が咲かなくなる。
【オオバイボタに似ている木】
・オキナワイボタ
沖縄の海岸沿いに見られる常緑性のイボタノキ。イボタノキよりも葉は小さいものの樹高はより高くなる。コバノタマツバキ、コバノオキナワイボタ、アマミイボタといった別名もあるが、当地ではハグマと呼ぶ。
オオバイボタの基本データ
【分類】モクセイ科/イボタノキ属
半落葉性/広葉/低木
【漢字】大葉水蝋
【別名】─
【学名】Ligustrum
ovalifolium Hassk.
【英名】Ohba-ibota tree
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】2~6m
【用途】垣根/公園
【値段】1000円~