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オオカメノキ/おおかめのき/大亀の木
Ohkamenoki tree
【オオカメノキとは】
・北海道~九州の山地に自生するレンプクソウ科の落葉樹。山地~亜高山の湿った岩陰や樹林内に自生するガマズミの仲間で、春~初夏に咲く白い花を観賞するため、庭園や茶庭にも植栽される。別名はムシカリ。日本以外でも台湾や中国に分布。
・葉が大きいこと、葉脈(葉の皺)がカメの甲羅のような模様を描くことから、オオカメノキと命名された。冬芽や新芽が独特であり、管理人はこの様子を亀に見立てて命名されたものと思い込んでいた。
・別名のムシカリは葉が虫に食害されやすく「虫食われ」と呼ばれたことによる。葉は直径6~20センチの円形あるいは卵形で先端が尖り、縁には不規則なギザギザがある。樹齢が若くても葉が大きいため他の樹木よりも虫食いが目立つが、その分、紅葉も美しい。山地では他の樹木に先駆けて紅葉する。
・オオカメノキの開花は4~6月で、枝先にガクアジサイに似た白い花が咲く。花弁のように見えるのは直径2~3センチの装飾花で五つに裂ける。実際の花は中央にある小さな両性花で、微かな甘い芳香がある。
・花の後には楕円球の果実ができ、8~10月に赤く熟した後に黒くなる。果実の軸(果序)も赤くなるため目を惹くが、野鳥もこれを食べに集まる。
・通好みの花で世間ではあまり話題にならないが、茶道では「利休七選花」の一つに数え上げられ、好んで茶席に使われる。なお、利休七選花は他にナツツバキ、マルバノキ、白ワビスケ(ツバキ)、オオヤマレンゲ、ハクウンボク、ヤマボウシ
・オオカメノキの材はかつて弓、かんじき、薪などに使われた。
【オオカメノキの育て方のポイント】
・「ムシカリ」とはいえ、基本的には丈夫で育てやすく、ほとんど手がかからない。ただし、枝が横へ横へと広がりやすいことに加え、形が整いにくく、剪定も好まないとあって狭い庭では本来の美しさを堪能するのは難しい。敷地に余裕のある庭に向く。剪定する場合は葉を落としている時期に、枝の付け根部分から切除する。
・日向から半日陰が植栽の適地で、土質は選ばずに育つが、植え付け当初は花が咲きにくい。
【オオカメノキに似た木】
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オオカメノキの基本データ
【分類】レンプクソウ科/ガマズミ属
落葉広葉/低木~小高木
【漢字】大亀の木(おおかめのき)
【別名】ムシカリ(虫狩)
【学名】Viburnum furcatum
【英名】Ohkamenoki tree
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】2~6m
【用途】花木/切花
【値段】1500円~