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オウバイ/おうばい/黄梅
Winter jasmine
【オウバイとは】
・中国を原産地とするモクセイ科ソケイ属の落葉低木。中国名を「迎春花」といい、その名のとおり早春にウメに似た黄色い花を咲かせるため、オウバイと名付けられた。明るい花だが洋種のような派手さはなく、和風庭園や盆栽にも使われる。
・オウバイが日本へ渡来したのは江戸時代の寛永年間(1624~44年)で、1695年に出された「花壇地錦抄」には、オウバイの育て方が載っている。
・オウバイはジャスミンの仲間で、英名を「ウインタージャスミン」という。また、キソケイやヒマラヤソケイ、熱帯性のボルネオソケイ、リュウキュウソケイ、タイワンソケイなども同じ仲間である。
・開花は葉が出る前の2~4月でウメと同時期。ウメは5枚の花弁が独立する「離弁花」で多数の雄しべが目立つが、オウバイは6枚の花弁が根元で合着している「合弁花」で、雄しべも2本しかない。
・花の直径は2~2.5cmで、横から見ると長い筒状になっており、ウメの花とは全く異なることが判る。オウバイの花にはウメの花やジャスミンのような香りはない。
・枝はつる状に垂れ下がる「半つる性」で、これもウメとは異なる。地面についた枝からは根が発生し、新たな株ができる。オウバイには実がならないが、こうした性質のため挿し木で簡単に増やすことができる。枝は緑色で断面は四角く、長さ60~180センチほどになる。
・葉は対生で3つの小葉を持つのが特徴。江戸時代には葉に白い模様の入る斑入り種などの園芸品種が作り出された。
【オウバイの育て方のポイント】
・日向を好み、日陰では生育、花つきが悪い。
・比較的土質を選ばず、どこでも育てやすい。
・寒さに強いが、地植えする場合、植栽の適地は東北地方南部が北限となる。
・刈り込みに強いが、枝や花が下垂する姿を観賞するのが自然であり、植栽には相応のスペースが必要。また、花が咲くのは前年に伸びた枝であり、秋~冬に剪定すると花数が少なくなる。
【オウバイの品種】
・雲南オウバイ~同じく中国原産で似たような樹形だが、冬期も葉を落とさない常緑性であり容易に見分けられる。オウバイモドキともいう。
【オウバイに似ている木】
・キソケイ
ヒマラヤ原産でオウバイと似た花を初夏に咲かせる。
・ソケイ
インド付近を原産とする半つる性の品種。いわゆるジャスミンとして流通する。
・マツリカ
香水の原料として知られるオウバイの仲間。白い花を咲かせる。
この他、分類上の関連はないが、早春に黄色い花を咲かせるレンギョウや名前の似たロウバイと混同されやすい。
オウバイの基本データ
【分類】モクセイ科/ソケイ属
落葉広葉/低木
【漢字】黄梅(おうばい)
【別名】オウシクバイ
ゲイシュンカ(迎春花)
小黄花
【学名】Jasminum nudiflorum
【英名】Winter jasmine
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】花木/盆栽/切花
【値段】500円~