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ウリカエデ/うりかえで/瓜楓
Hawthorn-leaved maple
【ウリカエデとは】
・福島県以西の本州、四国及び九州に分布するムクロジ科の小高木。山地の尾根や丘陵の林内に自生するカエデの一種だが、葉にカエデらしさはなく、一般的なカエデのイメージからは遠い。
・若い木の樹皮が瓜のようになるためウリカエデというが、同じような理由で命名されたウリハダカエデやウリノキと混同しやすい。学名にあるcrataegifoliumは、サンザシに似るの意で、葉の形による。
・ウリカエデの葉は長さ4~8センチの卵形で、カエデの仲間では最も小さい。葉は画像のように全く分裂しないものが多いが、中には浅く三つに裂けるものあ、五つに裂けるものがある。縁の縁はサンザシほど明瞭な鋸歯(ギザギザ)はなく、粗く波打つ。秋に色付くが、木によって紅葉あるいは黄葉する。
・開花は4~5月で新葉の展開に先立つ。枝先に伸びた花序に直径1センチ弱の花が垂れ下がる。雌雄異株で花には雄花と雌花があるが、いずれも小さい上に、淡いクリーム色で目立たない。
・雄株に咲く雄花は8~10輪がまとまって咲き、8本の雄しべがある。雌株に咲く雌花は中央に花柱があり、その先端は分岐する。萼と花弁はいずれも5枚ずつある。
・雌花の後には他のカエデ類と同じように翼のある果実ができる。長さ2センチほどで翼はほぼ水平に開き、始めは赤みを帯びるためよく目立つ。質は薄く、種子の部分はあまり膨らまないのも特徴。果実は8~10月に熟すと風に乗って飛んでいく。
・若い木の樹皮は青緑色で、黒い筋の入るものが多い。この様子をインド原産のマクワウリの果皮にある模様になぞらえたのが名前の由来だが、樹齢を重ねると樹皮は緑がかった灰褐色になり、ウリっぽさは消える。
・雄大な樹形になるウリハダカエデに比べると小ぶりであるため、メウリノキ(女瓜の木)との別名がある。材は加工しやすいことに加え、白くて美しいため家具、玩具、笠、箸などに使われてきた。
【ウリカエデの育て方のポイント】
・日向を好むが乾燥を嫌う。紅葉はさほど綺麗にならないのが普通。
・カエデとしては樹高が低くて管理しやすいが、本来は園芸よりも材木に使うような木であり、観賞目的に植栽されることは少ない。
・枝葉がやや大振りであるため、広めの庭に向く。
【ウリカエデに似ている木】
ウリハダカエデの葉は直径10~15センチほどではるかに大きく、形も扇状の五角形に近いため、葉がある時季は容易に見分けられる。
ウリカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科/カエデ属
落葉広葉/小高木
【学名】Acer crataegifolium
【英名】Hawthorn-leaved maple
【別名】メウリカエデ/メウリノキ
シラハシノキ
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】6~8m
【用途】庭木/器具材
【値段】1500円~