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アーモンド/あーもんど
Almond tree
【アーモンドとは】
・西アジアを原産とするバラ科の落葉樹。風味のある種子はナッツとして食用になり、世界各地の温帯で栽培される。あまり知られていないがモモの近縁種であり、春に咲く花に観賞価値があるため、実用もかねて庭木として使われる機会が増えてきた。
・開花はモモと同じ3~4月上旬。花びらは5枚で端に切れ込みがある。咲き始めの花は花弁の縁のピンク色が目立つが、開花が進むにつれて全体に淡いピンク色となる。野生種の花は一重だが、多くの変種があり、八重咲き種もある。
・葉はモモと同じような細長い楕円形で、長さ4~10センチ、幅1~2センチほど。先端は尖り、葉の縁にはギザギザがある。サクラなどに比べると枝葉はまばらであり、幹は曲がって育つ。
・果実は毛で覆われ、小さなモモといった感じだが、果肉は薄くて堅く、食用にならない。普段、我々が口にするアーモンドは種子に含まれる「仁」という部分。ビタミンEやオレイン酸を多く含み、アンチエイジングの健康食品として度々注目される。
・熟しきった果実は自然に開き、茶褐色の塊となった種子が現れ、長い間、枝に残る。また、アーモンドには種子の皮が硬い品種と、柔らかい品種があるが、いずれも果実ができやすい。
【アーモンドの育て方のポイント】
・商業栽培は地中海沿岸やアメリカ西海岸沿いが中心であり、基本的には乾燥地を好むが、日本全国で栽培できる。高温多湿には強いが、やや寒さに弱いため、早春に霜が降りるような環境の場合は霜対策をした方が無難。
・日当たりと水はけの良い場所を好み、風通しの悪い場所や日陰地では病害虫の被害に遭いやすい。
・収穫が梅雨と重なる場合、害虫の被害を受けることがある。果実が自然に割れ次第、早めに収穫した方がよい。
・雌雄同株であり、果実はできやすいが、品種によっては単独で受粉しにくいこともある。そうした場合、複数の木を植えたり、近くにハナモモを植えたりすると収量が安定する。
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アーモンドの基本データ
【分類】バラ科サクラ属
落葉広葉/低木
【漢字】扁桃(あーもんど)
【別名】ヘントウ(扁桃)
ハタンキョウ(巴旦杏)
【学名】Prunus dulcis
【英名】Almond tree
【成長】やや早い
【移植】やや難しい
【高さ】2m~5m
【用途】花木/果樹
【値段】2000円~