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アロニア/あろにあ
Aronia
【アロニアとは】
・北米大陸の東部を原産とするバラ科の落葉樹。アントシアニンを含む果実が健康食品として注目され、収穫を目的として商業的に栽培されてきたが、手間をかけずに美味しい果実ができる初心者向けの果樹であることに加え、初夏に咲く清楚な花や紅葉に観賞価値があるため庭木としても普及しつつある。
・アロニアは原産地の北米からヨーロッパへ渡り、旧ソ連を経由して昭和51年に日本へやってきた。果実が赤い品種と黒い品種があるが、果樹として利用するのは主に後者であり、前者はもっぱら観賞用とする。
・開花は4~5月。直径1センチほどの小さな花が10輪ほどまとまって咲く。花は白や淡いピンクで、同じバラ科のナナカマド、アズキナシ、レッドロビンなどに似る。5枚の花弁を超えて長く突き出たシベの先端は、赤く膨らんでよく目立つ。
・果実は直径0.5~1センチほどの球形で、9~11月に熟す。ブルーベリーやビルベリー以上のアントシアニンとポリフェノール、カロテン、食物繊維を含み、その美容効果が注目されるが、そのままでは渋味や苦味が強く果皮も硬いため、ジャムやジュースにして使われる。ちなみに別名のチョークベリーは、喉を締め付けられるほど渋いことを意味する。
・黒い果実をつけるのがメラノカルバ種で、ロシアでは黒い実のナナカマドと呼ばれる。赤い果実をつけるのがアルプティフォリア種で、別名をセイヨウカマツカという場合があるが、カマツカとは関係がなく、花や果実の様子から混同されたものとされる。また、メラノカルバ種とアルプティフォリア種の交雑種で、紫がかった褐色の果実ができるプルニフォリアという品種もある。
・アロニアの葉は長さ4~7センチ、幅2~3センチほどの楕円形で先端は急激に尖り、縁には細かなギザギザがある。葉の裏面には細かな毛があり白っぽく見える。寒冷地であれば秋に紅葉するが、都市部に植栽した場合は難しい。
【アロニアの育て方のポイント】
・原産地は寒い場所であり暑さには弱い。商業生産も北海道、岩手、長野が主要であるが、家庭で楽しむ程度であればその他の地域でも栽培できる。
・土質はあまり選ばないが、ピートモスを混ぜ込んで水はけを良くした土に植栽し、春と秋に肥料を施すとより多くの開花と収穫が望める。
・日向を好むが、半日陰にも耐える。病害虫には強いが、乾燥には弱いため、風や西日の強い場所は避けた方がよい。
・ブルーベリーとは違い、数種類のアロニアを一緒に植えなくても果実ができる。また、樹高が大きくならないので他の果樹よりも収穫しやすい。
【アロニアに似ている木】
・カマツカ
アロニアの基本データ
【分類】バラ科/アロニア属
落葉広葉/低木
【漢字】─(あろにあ)
【別名】アローニャ/チョークベリー
ブラックチョークベリー
チョコレートベリー
セイヨウカマツカ
【学名】Aronia spp.
【英名】Aronia
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1m~2m
【用途】果樹/生け花
【値段】1、000円~