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アジサイ/あじさい/紫陽花
Hydrangea
【アジサイとは】
・日本原産のガクアジサイを原種とする園芸品種の総称。奈良時代以降に日本で作り出されたものだが、その美しさに感動したシーボルトがヨーロッパに紹介したこと、交配が簡単であることから欧米を中心に普及し、現代では多色多様のアジサイが「ハイドランジア」として世界中で栽培される。
・アジサイの開花は6~7月。枝先で半球状に咲く花の基本色は青紫だが、酸性土壌では青が強く、アルカリ性土壌では赤味が強くなるといわれる。なお、花と呼んでいるのは本来の花ではなく「萼(がく)」。本当の花はその中心にある微小なもの。
・萼の色が緑→白→青→茶色などと順次、変わる様から「七変化」との異名を持つ。萼は花が終わってもすぐには落下せず、冬に枯れる。
・原種のガクアジサイには両性花と呼ばれる花が咲き、実ができるが、アジサイの花は全て、雌しべや雄しべが退化した装飾花であり結実しない。このためアジサイの繁殖は、挿し木や株分けによる。
・アジサイという名は「アズサイ」が転訛したもの。「アズ」は「集める」を、「サイ」は「真の藍」を意味し、藍色の花が集まった様子を表す。漢字名は「紫陽花」を使うことが多いが、中国に渡って様々に名付けられ、「八仙花」、「天麻裏花」、「粉団花」、「洋繍花」など数多くのバリエーションがある。
・葉はガクアジサイと全く同じ。厚手で表面に光沢があり、枝から対になって生じる。乾燥させた若葉をフリカケにして食べた地方があったり、乾燥させた花を解熱剤にした時代があったりと、アジサイは実用的に使われる面もあった。
・しかしアジサイの花や葉には有毒物質が含まれており、誤食すると腹痛、嘔吐、めまいを引き起こす。平成20年にも飲食店で提供された飾りつけの葉を食べて中毒を起こした事例がある、厚生労働省はアジサイの葉の提供及び喫食に関する注意喚起の通知を出している。
・この毒性のためか、金沢などには家の門口に逆さにしたアジサイを吊るして厄除けにする風習があった。
【アジサイの育て方のポイント】
・直射日光を好まない「陰樹」であり、日陰~半日陰が植栽に適する。ただし、セイヨウアジサイは日向でもきれいに育つ。
・やや湿った肥沃な土地を好み、日照りが続くと葉に元気がなくなる。(西洋アジサイは水はけの良い場所を好む。)
・病害虫に強い。
・刈り込みに耐えるが、タイミングを考えないと、翌年の花が咲かない。また、花を大事に育てると、年々大きくなって手に負えなくなる。このため剪定のタイミングが難しい木でもある。
・寒さの厳しい場所では花つきが悪くなることもある。
【アジサイの原種】
在来種は以下の10種
・エゾアジサイ
・ベニガクアジサイ
・リュウキュウコンテリギ
・コガクウツギ
・ヤクシマアジサイ
・ヤエヤマコンテリギ
【アジサイに似ている木】
・アマチャ
・アナベル
アジサイの園芸品種
アジサイは日本で作られた日本アジサイと欧米で品種改良されたセイヨウアジサイに大別される。その品種は年々増えており、現在の品種は数百とも数千ともいわれr。花の色合いは白、水色、青、紫、紅色、ピンク色が基本だが時季によって個体によって「七変化」する。以下その一部をランダムに掲載。
アジサイの基本データ
【分類】アジサイ科/アジサイ属
落葉広葉/低木
【漢字】紫陽花(あじさい)
【別名】ハイドランジア
八仙花/七変化/手毬花
かたしろぐさ/四葩
刺繍花/繍毯花
【学名】Hortensia macrophylla
【英名】Hydrangea
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1.5m~3m
【用途】花木/公園/切花/鉢植え
【値段】500円~